2018年、愛ちゃんの引退が
最高なタイミングの理由

 では、ここから福原選手のバイオリズムを見ていきましょう。
 福原選手の最近の戦績をまとめてみました。

・2004年、アテネ五輪で五輪初出場、シングルス16強
・2008年、北京五輪シングルス16強、団体4位
・2012年、ロンドン五輪シングルス8強、団体銀
・2016年、リオ五輪シングルス4強、団体銅

 まず、2004年のアテネ五輪のときは、三碧の福原選手は【陽2年】の位置にいました(→バイオリズムについての詳細は『“強運を呼ぶ”9code(ナインコード)占い』をご覧ください。2034年までのバイオリズムが書かれています)。

 そして、【陽2年】は「三碧の部屋」にあたりますので、三碧の福原選手にとっては、元々の三碧としての“夢を推進する力”に加えて、時の力も加わり、まさに水を得た魚状態でした。

 天に龍が上るがごとき、何事も上り調子で物事が進展するときだったのです。
 だからこそ、このタイミングに彼女は「史上最年少での五輪出場」とともに、彼女自身の7歳からの夢(オリンピック出場)を叶えることができたのでしょう。

 2008年は【陰2年】でした。
 ここは、何かしらの結果が必ず現れる時期です。
 この年の団体戦は惜しくも4位。メダルをあと少しで取り逃すという残念な結果が生まれてしまいました。

 しかし、2012年、彼女が【陽1年】の時期で初めて念願の団体銀メダルを獲得しました。
 なぜ、このタイミングで初のメダルを獲得できたのでしょうか?
 これには理由があります。

【陰2年】での結果、つまり、「なぜメダルを逃したのか」を彼女自身が真剣に考え、4年後の大会に臨んだことが団体銀を実現した大きな要因です。

 当時の彼女はインタビューなどを聞いても、相当悔しかったことがわかります。
 この反省が【陰2年】では最も大切です。
 バイオリズム上、この時期に反省したことは、数年後に必ず生きてくるという統計データがあります。
 きちんと反省を実行したからこその2012年の結果だったのです。

 もちろん、2012年は彼女も【陽1年】の時期でしたので、【陽】の上昇気流に乗ったからこその結果とも言えますが、【陰2年】の反省こそが大きい要因だったと感じています。

 2016年は【陽5年・陰1年(合期)】でした。
 ここは、【陽】の上昇気流と【陰】の冷静さが混じる一年です。
 福原選手はチームのリーダーとして、まさに情熱と冷静さを持って、チームを先導し、初の銀メダルへと導きました。

 いよいよ、引退した今年2018年ですが、彼女は【陰3年】の位置にいます。
 この【陰3年】というのは、これまでの自分をよく振り返り、精神面で一回り多く成長しながら、次の陽年期に備えるために人間味をアップさせる一年なのです。

 彼女は、リオ五輪台湾代表の江宏傑と結婚し、昨年10月には長女あいらちゃんを出産しました。
 卓球少女、泣き虫愛ちゃんのイメージが抜けない人も多いでしょうが、彼女も今や立派な一人の母親なのです。

 バイオリズムの法則によると、【陰3年】の時期は、これまでをしっかりと振り返り、今後、これまでと違うことに力を入れるべきだと自分が判断したなら、それを実行するにはベストな時期です。

 彼女はこれまで卓球一筋の人生だったと思いますが、今後は、母親として新しい人間味を身に着けることも必要でしょう。

 人生を歩んでいくには、まさに最高のタイミングだったと私は思っています。

 きっと、子育てに専念して身に着けた彼女の魅力は、次の【陽】の時期に入ったときに、また違う形で人々を笑顔にする新生愛ちゃんとして輝いていくことでしょう。

 彼女のこれからの幸せを願いながら、数年後からの活躍にまた期待したいことろです。

中野 博(Hiroshi Nakano)
信和義塾大學校創設者兼塾長、経営コンサルタント
早稲田大学商学部卒業。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院ブランディング実践講座エグゼグティブコースを修める。ハーバードビジネススクールでは経営学を学ぶ(いずれも短期集中型の経営者クラス)。1992年、地球サミットに国連認定ジャーナリストとして参加したことを契機に環境ジャーナリストとして活動。1997年の地球温暖化防止京都会議を機に、株式会社エコライフ研究所設立。環境ジャーナリストとしての取材・分析力と経営コンサルタントとしての提案力をベースに、800社以上を環境ビジネスに参入させ成果を挙げる。その傍ら、住宅、環境を軸にした本を多数出版(本書が30冊目)。講演依頼も多く、国内外で2000回以上の実績。2005年、教育研修会社の株式会社ゴクーを設立。1万人のサンプリングを体系化した『9code(ナインコード)』をもとに、信和義塾大學校で指導にあたるほか、企業や各種組織で『9code』を利用したコンサルティングや人材活用研修も多い。現在、信和義塾大學校は、世界6ヵ国20都市以上にあり、塾生は700名超。