経営陣に生々しい「現場の情報」を伝える
現場の情報を伝えるときには、次の2点に留意します。
・リアリティのある具体的な数字を定量的に示す。
・定性的な要素であっても、ロジカルかつシンプルに説明する。
これができるかどうかは、結局のところ、日ごろのミーティングや会議で、どれだけ現場のメンバーたちと意思疎通できているかにかかっています。その意味では、マネジャーの真の力量が問われる局面と言ってもいいかもしれません。
注意が必要なのは、現場の一次情報は往々にして情報過多になりやすいことです。たとえば、細かいデータをエクセルシートにみっちりとデータが並んだ生データを経営陣に見せても、読み解くのに一苦労ですから、不快がられるだけです。
ですから、アペンディックスは要点が一目でわかるようにデータを簡易加工しておく必要があります(詳しくは『社内プレゼンの資料作成術』参照)。口頭で伝えるときも、細かい数字を長々と述べるのではなく、経営陣が求めている数字を端的に答えるようにしてください。そのためには、準備の段階で各種データをしっかり読み込んで、要点を把握しておく努力が不可欠なのです。
とはいえ、ここまで念入りに準備をしても、課長にとって経営会議は極度の緊張を強いられる場です。私も、慣れないうちは、経営陣からの質問に曖昧な回答しかできずに、その瞬間に差し戻しを食らうなど、何度も失敗をしたものです。
しかし、それも経験。挫けずにチャレンジを続ければ、部長は新たなチャンスを与えてくれます。そして、経営会議でGOサインを得るためには何が必要なのかが少しずつ身体に刻まれていきます。そして、経営会議で上層部に一定の認知をしてもらえるようになれば、自身の可能性が大きく拓いていくのです。