課長クラス以上のマネジャーにとって「会議術」は、チームの生産性を上げるために必須のスキルです。ところが、私たちには「会議術」を体系的に学ぶ機会がほとんどありませんから、悩んでいるマネジャーも多いのではないでしょうか? そこで、ソフトバンク在籍時に「会議術」を磨き上げ、マネジャーとして大きな実績を残した前田鎌利さんに『最高品質の会議術』(ダイヤモンド社)をまとめていただきました。本連載では、その内容を抜粋して掲載してまいります。

部下に仕事を任せて「ラク」になったマネジャーが出世する“当然の理由”

定期的に「アウトプット」を出し続ける

 部の定例会議においてチームのプロモーションをするのもマネジャーの大切な仕事です。チーム全体として上層部の評価を勝ち得ることができれば、チームにより重要な仕事を引っ張りやすくなりますし、部下一人ひとりの評価も高めることができるからです。

 そのために意識しなければならないのは、部の定例会議で定期的に質の高いアウトプットを提示し続けることです。質の高いアウトプットを示すのは当然大切ですが、それを「定期的に出し続ける」ことが重要です。私は、ソフトバンク時代に、毎月何かアウトプットを示せるようにすることを常に意識しながらチームをマネジメントしていました。

「花壇」のようなものです。素敵な花壇は、いろんな種類の花が季節ごとに咲いています。花が枯れている時期があってはならないのです。チームも同じで、いろんなメンバーがいろんな花を咲かせていくことによって、「このチームはよく機能している」という評価を勝ち得ることができるのです。

「チームの動き」を長期スパンで俯瞰する

 ですから、マネジャーは常に、チームの動きを長いスパンで俯瞰するポジションに立たなければなりません。

 メンバーには目の前の仕事に全力を投入してもらうのが生産性を上げるためには必要ですが、マネジャーまで目の前のことだけに囚われていては、「チームとして定期的にアウトプットを出し続ける」ことはできません。チーム全体の動きを、最低でも1年、できれば3年くらいのスパンで俯瞰して、適切にコントロールしていく必要があります。それこそ、マネジメントなのです。

 具体的には、年間カレンダーを並べて、次のような問題意識をもちながら、チームの動きをシミュレーションするといいでしょう。

「いま、どのメンバーがどんなプロジェクトを動かしているか?」
「そのアウトプットはいつまでに出さなければならないのか?」
「そのプロジェクトは順調に進んでいるか?」
「これから発生しそうなプロジェクトは何か?」
「それは、誰に担当してもらえばいいか?」……。

 そして、ざっくりと「毎月、チームとしてアウトプットを出せる」ようなスケジュールを組んでみるのです(下図参照)。

部下に仕事を任せて「ラク」になったマネジャーが出世する“当然の理由”