桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、特にエリート父親層から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

「努力できる子」に育てるには、「尊敬される親」になる必要がある

親がだらしないのに、子どもに頑張れと言うのは無理がある

 私たちの世代が小学生の頃は、もっと無邪気に遊んでいました。でも、今の子どもたちは、そうではありません。ましてや、中学受験をするとなれば、子どもなりに相当のプレッシャーと戦っているんだということをまず親は理解しなければなりません。

 それが理解できていれば、子どもがリビング学習している横で、酔っ払ってくだを巻くことなどできないはずです。いくら仕事が大変で、飲みたくもないお酒を飲まなければならない接待だったとしても、子どもには関係ありません。今、目の前にいる親の姿がすべてなのです。

 土日に住宅街にあるカフェに行くと、勉強している子どもの姿をよく見かけます。そういう子どもの目の前では、たいてい父親がノートパソコンを広げて仕事をしています。

 もしかしたら父親は、疲れて家で寝ていたいのかもしれません。しかし、父親が目の前でかっこよく仕事をしていてくれたら子どもは嬉しいし、「私もこうなりたい」と思えるでしょう。

 医者の子どもが医者になる確率が高いのは、頭脳や財力の問題よりも、やはり患者を治している姿を見てリスペクトしている部分があるからでしょう。

 もっとも、親の学歴や職歴などは関係ありません。親のあり方の問題です。親が東大卒ならいいというものではなく、高卒であっても子どもがマネたくなるような姿を見せているかどうかが重要なのです。

 自分がだらしなくしていて、子どもに頑張れと言うのは無理な話です。

 とくに、女の子にとって、家族が共感してくれる存在であることが非常に大事です。いつでも同じ方向を見て一緒に戦っているということを示してあげてください。