国内外企業の公式アカウントが5000社以上、
ビジネスツールとして広く認知されている

 2006年、中国でインターネット広告事業を行う北京龍楽広告有限公司(北京ログラス)を設立した山本達郎さんは、先ごろ『中国版ツイッター ウェイボーを攻略せよ!』(ワニブックスPLUS新書)を刊行した。変転を極める中国ソーシャルメディアの動向をリアルタイムで眺めてきた彼に北京で話を聞いた。

山本達郎(やまもと たつお)北京龍楽広告有限公司(北京ログラス)総経理/CEO
1980年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。在学中に「ログラル個人指導塾」を立ち上げ、3年間経営を行い売却。大学卒業後、中国 北京語言大学にて中国語を学び、アメリカ カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)でPre-MBAコースを修了し、帰国。2006年4月に、中国で北京龍楽広告有限公司(北京ログラス)を設立。2010年6月、北京盛和塾に入塾。2011年、アエラの「中国に勝った日本人100人」に選ばれる。著書に「中国巨大ECサイト タオバオの正体」「中国版ツイッター ウェイボーを攻略せよ!」(ワニブックスPLUS新書)。

――ウェイボーとは何か。簡単に説明していただくと……。

「ひとことで言えば、3億人を超えるユーザーを持つ中国語のツイッターということになるのですが、国内外の企業の公式アカウントが5000社以上あるように、ビジネスツールとして広く認知されていることが特徴でしょう。中国に進出した日本企業もすでに200社以上(2012年2月現在)がアカウントを持ち、ツイートを始めています。

 もうひとつの特徴は、社会的影響力のある中国の有名人の大半が活用していること。日本の著名人も100人以上がこれに加わりツイートしているようです。ウェイボーには主に4つの代表的なサービス運営会社があるのですが、有名人を囲い込むことにいち早く成功した新浪微博やQQ微博が多くのユーザーを獲得してきた経緯があります。

 ツイッターとの違いはどこかとよく聞かれますが、むしろツイッターとフェイスブックを兼ね合わせた機能を持っているんです。140字制限は同じでも、動画や音楽が付けられたり、チャット機能があったり、コミュニティがあったり、アンケートもできたりと、独自路線を進んでいるといえます。」

――ツイッターが使えなくなったため、爆発的に発展した経緯があるのですね。

「2009年6月にアクセス規制があり、8月に新浪微博が立ち上がっています。ですから規制の影響が大きかったといえますが、ユーザー目線に立てば、この頃から芸能人が競ってツイートするようになったことが大きいと思います。