訪日旅行客を呼び込みたい自治体の取り組みも活発化
都道府県別のフォロワー数では福島県がトップ
――マツダは中国市場シェア劣勢の挽回への意気込みが強いのでしょうが、メーカーと販売代理店が連動してウェイボーをビジネスツールとして活用しているというのは、まさに中国に合ったやり方といえそうですね。他の業界での取り組みはどうでしょうか。
「インバウンド(訪日旅行市場)系の動きが目につきます。日本の地方自治体がアカウントを開設する動きが広まっています。
現在、日本の都道府県別のフォロワー数トップは福島県です。東日本大震災の影響が大きいのは確かですが、福島県では震災前の2011年2月23日にアカウントを開いています。もともと上海事務所を置き、訪日旅行向けのPRに力を入れていたのです。ウェイボーは上海事務所の中国人スタッフが提案して始めたそうです。
震災後、北京でもスーパーで塩がなくなるほど多くのデマが流れただけに、正確な情報を発信するという姿勢を徹底することで、応援ツイートも増えたと聞きます。
一般の中国人は震災があるまで福島がどこにあるか知っている人などほとんどいなかったでしょう。インバウンドはまず認知度アップから。そのためにウェイボーを活用しようというのは理にかなっています。
実は、北京の日本大使館もがんばっています。アカウントの開設は2011年2月1日で、その約1カ月後、東日本大震災が発生。震災関連情報の発信に努めるとともに、中国人が日本に対して興味があるといわれる4つのテーマ(「食事」「文化」「政治」「日中交流」)を中心に平日は1日2本、土日は1本ずつツイートを行なったところ、開設から8カ月でフォロワー数が10万人に達し、2011年4月現在14万人を超えています。これは北京にある各国大使館のランキングでみると、アメリカ、イギリス、フランスに次ぐ4位です。」
■各国大使館フォロワー数ランキング
1位 アメリカ
2位 イギリス
3位 フランス
4位 日本
5位 カナダ
『中国版ツイッター ウェイボーを攻略せよ!』(ワニブックスPLUS新書)より