学問の神さまだって
「序・破・急」の先にいる

 伊勢神宮などは、私にとって・神社参道論・の最たる実例で、正式に「神宮」と称される唯一の存在そのままに、荘厳かつ広大長大な参道が内宮(ないくう)、外宮(げくう)ともに入口から正殿(しょうでん)まで続く。

 福岡にある宗像(むなかた)大社は2017年、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」としての世界遺産登録で話題になったが、私はその歴史的な格式の高さに比べて参道がちょっと短くて不満である。

 一方、太宰府(だざいふ)天満宮は参道が長く、とても楽しい。
 実際、「学問の神さま」頼みの受験生のみならず、国内外から多くの参拝客を集めている。

 また、古今東西を問わず、位の高い家、財を成した家は門から入ると、非常に長いアプローチがお約束で、一家の方々はその長さを誇りに思っている。

 鉄道でいえば、少し前まで東海道新幹線の多くには8号車あたりに食堂車があって、長ければ8両分くらいを歩かされるのを乗客は皆、どこか楽しんでいたフシがある。

 新幹線だと一両の長さがおよそ25メートルだから、200メートルを楽しんで歩いていたことになる。次回は「ななつ星」の話をしよう。

☆ps.
 今回、過去最高競争率が316倍となった「ななつ星」のDX(デラックス)スイート(7号車の最高客車)ほか、「ななつ星」の客車風景を公開しました。ななつ星の外観やプレミアムな内装の雰囲気など、ほんの少し覗いてみたい方は、ぜひ第1回連載記事を、10万PVを突破した大反響動画「祝!九州」に興味のある方は、第7回連載もあわせてご覧いただければと思います。