ウェイボーを活用すれば、市場に参入する前から
自社の商品の認知度を高めることもできる

 なぜこの国でツイッターの中国人向け超カスタマイズ版ともいえるウェイボーのユーザーが拡大したかといえば、彼らが一方的に送られる情報を鵜呑みにしない人たちだからだろう。

 中国人が商店で店主を相手にモノの値段と評価をめぐってしつこくやりとりしているのは、値切りたいからだけではない。いつまがい物をつかまされるかわからないため、日本人から見ればありえないことまでチェックしなければ気がすまない。黙っていてはどんな不利益を被るかわからない。そういう商取引がまかり通る世界に暮らしているからだ。

 中国のECサイトにチャット機能が付いているのは、売り手と買い手がネット上で同じように商品をめぐってやりとりしているからだ。それは必須の機能だったのである。ヤフーや楽天が中国のEC市場から撤退した理由は、日本と中国の商慣行の違いをわきまえていなかったためだろう。

 冒頭で、中国の消費市場に参入したいと望む企業にとって、もしウェイボーのアカウントを持たなければ、市場に存在していないに等しいと書いたが、逆にいえば、ウェイボーを活用することで、参入する前から自社の商品の認知度を高めたり、市場調査ができるということでもある。

 ウェイボーのさらなる実践的な運営については、中国ビジネスの専門家の情報交換のプラットフォームとなっている「中国ビジネスヘッドライン」で詳しく紹介されているので、ぜひ参照していただきたい。

取材協力:ウェイボー研究所 http://webken.or.jp
中国ビジネスヘッドライン http://www.chinabusiness-headline.com/