「入塾テストなし・先着順」なのに「生徒の8割が難関中学」に合格する「学力の伸ばし方」とは?
欧米ですでに始まっている男女別カリキュラム
男性と女性は脳が違います。それは単なる事実であって、どちらがいいとか悪いとかといった問題ではありません。たとえば、なにかの数を数えるときに、女性が「1・2・3……」と声に出す傾向にあるのも、脳の特徴によります。
男性は、空間能力を司る右脳で数えているのに対し、女性は右脳だけでなく言語能力を司る左脳も同時に使っているため、言葉となって現れるのです。
また、女性がカラフルなものを好み、男性がモノトーンを好むのも脳のつくりに原因があります。色を選別する網膜の「錐状体細胞」のもとは、X染色体です。X染色体が1つしかない男性に比べ、2つある女性は色を細かく認識し、描写できるというわけです。
幼い子どもたちも同様で、女の子が文房具を選ぶのにカラフルでかわいいものを好むのは当然なのです。しかし、小学生の女の子が大人の女性に近い脳を持っているのに対し、男の子の脳はまだまだ発展途上です。
男の子は右脳がどんどん発達している半面、言語能力を司る左脳はなかなか育ってきません。そのため、言葉が足らずにとても幼い状態に留まっています。そういう男の子をブレークスルーさせるには、彼らの脳の特性を押さえた学習が必要です。
欧米を中心に、それぞれの能力をより伸ばすために、男女のクラスで学習の仕方を変えるといった学校も出てきています。
イギリスのあるハイスクールでは、それによって、特に男子生徒の国語や女子生徒の数学の成績に好影響があったそうです。
このように、性差を考慮した教育は、苦手の克服にも寄与しているのです。
【著者からのメッセージ】
<大反響! 連載人気ランキング>
第1位:「男の子の学力」を伸ばすために親が知っておきたい育て方
第2位:男の子の学力は「机に向かう姿勢」で9割決まる
第3位:男の子の「折れない心」を育てるためのコツとは?
私は、「進学塾 VAMOS(バモス)」の経営者として、「入塾テストなし・先着順」と生徒を選抜することなく、多くの子どもを難関校へと導いてきました。
「どんな子でも必ず伸びる」という確信が、私にはあります。こと「伸び率」に関して、私はどこの学習塾にも負けない自信があります。それは単に実績の話だけではなく、再現性のある学習メソッドを取り入れているからです。
具体的には本書のなかでお伝えしますが、学力を伸ばす勉強には、明確なロジックがあると考えています。
多くの人は学力をセンスや才能のたまものだと考えていますが、実際にセンスが必要となるのは、ごく一部の天才同士の戦いに限られます。ほとんどの子どもにとっては、そもそもセンスは必要ありません。
また努力は必要ですが、どれだけ長時間勉強しても、正しい努力でない限り結果がともなわないのは、社会人にとっての仕事とまったく同じです。
本書は、学力が伸びるメカニズム、「わかる」ことのブラックボックスを可視化しながら、どんな子でも学力を伸ばせる考え方や手法をお伝えします。
•勉強はしているのに、どうしても子どもの成績が上がらない
•子どもの中学受験を考えていて、もっと効果的な勉強法を知りたい
•受験勉強には反対だが、子どもに将来役立つ学力を身につけてほしい
•子どもに自分から勉強してもらいたいと思っている
•自由放任で育てたら、子どもが全然勉強しないと悩んでいる
•夫婦間で、子どもの勉強への取り組みに熱の違いがある
こうした方に、本書はとくにおすすめです。
多くの人は、子どもの学力を伸ばすために、問題を解く魔法のノウハウや、「センスのいい考え方」を期待するかもしれません。しかし、そうしたものは存在しません。
学力が伸びるプロセスを分解すれば、基礎となる知識の「点」を増やして、それを効果的につなげて「線」にしていくということです。言い換えると、「つながる」ということが、「わかる」ということです。
算数には問題を解く土台としての「九九」がありますが、実はほかの教科にも「九九」にあたる基礎があります。それを反復トレーニングで学び、基礎同士を上手につなげること。学力が伸びる構造は、センスではなくロジックなのです。
本書では、男の子の学力を伸ばすために、親ができることすべてを紹介しました。
まず、序章で「学力を伸ばす基本的な考え方」をまとめています。第1章では、「男の子の本能的な7つの特徴」について、第2章ではその特徴を活かした、「学力を伸ばす5つの絶対法則」について解説します。
第3章では、「考える力を養う13のコツ」、第4章では男の子がとくに苦手な「目標・計画術のテクニック」を紹介します。第5章は、具体的に、算数・国語・理科・社会の成績を効率的に上げる「必修4教科の勉強法」を細かく見ていきます。そして、第6章で男の子が「自主的に学習するための習慣づくり」を、最後の第7章では、「成績を伸ばせる親の習慣術」をまとめていきます。
本書は、あくまで学力を伸ばすための入口に限定していますが、そのために親ができることすべてを1冊で網羅した内容となっています。試せるところから、ぜひ実践してみてください。
子どもたちには、親が考えている以上に潜在的な力があります。
左脳が発達していない男の子は言葉足らずで、親から見るとなんとも頼りなく感じるはずです。しかし、彼らはあるとき、ちょっとしたきっかけで大化けします。ここが、男の子の面白いところです。
本書が、その能力を引き出す一助になれば、著者としてこれ以上嬉しいことはありません。