双生児には、同じ一つの受精卵から生まれ、遺伝子が全く同一の一卵性双生児と、二つの受精卵から生まれ、普通のきょうだいと同じように50%の遺伝子しか共有していない二卵性双生児がいる。一卵性も二卵性も生育環境は同じだとすると、遺伝子条件だけが違うわけだ。
研究では双生児の協力を得てデータを集め、一卵性と二卵性がどれだけ類似しているかを比較する。
そこで、一卵性の方が二卵性よりも類似しており、似ている程度の差が大きければ大きいほど、遺伝の影響度が強いことになる。
一卵性と二卵性の類似度にあまり差がない場合は、それは同じ家庭で一緒に育った環境(共有環境)のせいだということになる。
また、一卵性がさほど似ていない部分は、遺伝でも共有環境でもなく、それぞれの友人関係など、独自の環境(非共有環境)の影響とみることができる。
下図は、日本の行動遺伝学の第一人者、安藤寿康・慶應義塾大学文学部教授らが進める研究プロジェクトで得られた知能指数(IQ)のデータだ。