散らかった部屋「おすすめの収納グッズ」や「おそろいの保存容器」を使えば、誰でも整理収納上手になれるわけではありません Photo:PIXTA

家事代行サービス「タスカジ」の中でも、“予約の取れない家政婦さん”として大人気の「家族の片づけコンサルタント」seaさん。22年に及ぶ家事代行サービス歴で身につけた整理収納術で、家族と住まいの問題に切り込みます。今回は、片づけ上手な人の整理収納術を真似してもうまくいかない原因を、seaさんが明らかにします!

「おそろいの保存容器」を使っても
整理収納上手になれるわけじゃない

 引っ越しの手伝いに来てくれた姉は、昔から片づけが得意。

「これがいいわよ、うちでも使っているの」

 すすめられるままに保存容器に小麦粉を移し替えた。そのほかの調味料もそろいのデザインの容器に移し替えると、ずらりと並んだ保存容器で棚が整然とした。「なるほど、こうすればいいのか」と感心した。扉を意味なく開け閉めしてはうっとりした。

 ただし、その後、使いこなすのが難しかった。粉物は使い切った後、1度容器を洗って入れ替えするのが面倒だった。調味料の種類が増えるたびに容器を増やしているとあっという間に棚がいっぱいに。納まりきらなくなった食材をあちこちに逃すようになり、在庫が把握できずに2度買いすることも増えた。「どうして入れ替えるの?元のパッケージのままの方がぱっと見でわかるのに」と夫に指摘されたときは、努力を無駄と言われたようで悔しかった。

 姉は快適だといっていたが、自分には向いていなかった。次第に移し替えをしなくなり、この保存容器も開けないままもう2年くらいたっているかもしれない――。

 整理収納上手な人に教えてもらい、試してみた収納用品や収納ルールがことごとくうまくいかなかった。私が整理収納を依頼されて伺った先で、そんな挫折の痕跡を見つけることがたびたびあります。「(保存容器などを指して)これは…?」とお尋ねすると、冒頭のようなエピソードが出てくるのです。