ビジネスに明確な正解はない!
すぐに答えを求める世代への対処法は?

また、[3]の特性は、報連相の研修をしていてもすぐに答えを求める新人も多いように感じます。ある課題を与えて、その答えを自分で考えてきて欲しいのに、正解は必ずあると、その答えを相手に求めます。

今では、分からないことがあればすぐにネットで検索すれば答えが出てきます。ですから自分で答えを考えるよりも、答えは検索すれば出てくるという習慣になっているのです。
しかし、ビジネスには明確な正解などありません。自ら仮説を立て、その答えを自ら導き出すのが仕事なのです。

こういった今どきの新人に対してはどう対応すればよいのか?

まずは、相手が報連相をしやすい空気を作る必要があります。
その為には、どんな場面でも承認からまず入るのです。
「いやいや、あんな変な報連相をしていて承認できないよ」という上司の声も聞こえてきそうです。

その場合、まずは、報連相をちゃんとやっていることを承認するのです。
「ちゃんと報告してきたのは良いことだね。こういうのはスピードが大事だから、今回のタイミングは良かったよ」

承認文化で育った新人は、まずは「いいね!」を貰わないと拒絶が始まります。
「いいね!」で相手が受け入れる姿勢を示してから、言うべき指摘をするのです。
頭ごなしの否定は、相手の拒絶を生むため、次第に報連相そのものをしないという方向に向かいます。そうなればマネジメントそのものが難しくなってしまうのです。

「そこまでしなくてはいけないのか!」と昭和世代の嘆きが聞こえてきそうですが、時代は大きく変わっています。
本書では相手のキャラに合わせた伝え方を説いていますが、新人特性に合わせたコミュニケーションも大事です。

今の時代に合わせた対応をすることで、信頼される素敵な先輩、上司になれるのです!

新人研修でも大問題!<br />報連相ができない新人への対処法羽田 徹(はだ とおる)
話し方コンサルタント・トップ講師プロデューサー・株式会社web-school.tv代表取締役
大学生の頃よりラジオDJを始め、1998年に大阪人気No.1のFM802主催の新人DJオーディションに合格。その後FM愛知や文化放送でラジオオDJとして10年間活動。番組降板により挫折し不動産投資会社の営業に転職。話し方を武器にさらに営業力を磨き、2年目にトップ営業になる。2008年にはその営業力が認められ倒産寸前だったロープライス眼鏡会社の取締役営業本部長に就任し、当時64店舗から110店舗への躍進を支える。またインターネットカフェ最大手にて社外取締役を歴任。2012年、ラジオDJとしての話し方の技術、営業力、組織マネジメント力、経営経験 などを生かし、組織人事コンサルタント会社のリンクアンドモチベーションにてナビゲーター(研修講師)、ファシリテーターとして活動。大手企業からベンチャーまで年間100件以上登壇、延べ2万人以上の人たちと接する。研修講師の採用や育成の責任者も兼任。新人やマネジメント研修、エグゼクティブへのスピーチ・プレゼン指導、組織活性ワークショップ、働き方改革の為のロジカルシンキング講座などを得意とする。自身の経験から「学びでこの世界を豊かにする」を理念として活動中。著書に『ビジネスマンのためのスピーチ上手になれる本』(同文舘出版)がある。社会人のための「話し方動画教室オンライン」運営。