「もうマンションを買ってもいいかな。でも損はしたくないし、ローンも怖い」。
そんなあなたが買うべきは、「60m²前後」×「駅徒歩7分以内」×「2001年以降完成」のマンションしかありません。

本連載の書き手は、「不動産ひと筋30年! 12000人と面談し、成約件数は6000件以上」という圧倒的なキャリアを持つ後藤一仁氏。不動産仲介会社の“現役”社長です。「不動産を通じて、1人でも多くの人に幸せになってほしい」という願いが込められた『マンションを買うなら60m²にしなさい』の著者でもあります。「損をしない、戦略的なマンション選び」を語ってもらいます。

マンションの資産価値を先読みできる?知っておくべき「立地適正化計画」

マンションを買う前に知っておくべきこと

 高度経済成長期に人口は増え、インフラを整備し街も大きくなっていきました。しかし今後は生産年齢人口(15歳以上~65歳未満)が減少して税収が減り、住民の高齢化によって福祉や医療費の負担などは増え続けます。

 インフラももう古くなってきているのに、予算の関係ですぐには手をつけられないことも多々あります。

 こうした事情を踏まえ、街の中心部に比べて、郊外の世帯数が少ない(人口密度の低い)地域を立地適正化計画区域に指定し、住宅や役所・学校などの公共施設、医療・福祉・子育て施設、商業施設などを街の中心部である「居住誘導区域」に集約する計画(立地適正化計画)が進んでいます。

 要約すると、「広範囲にわたって人が住んでいるのを中心部に集約して、人口密度を保ち、行政サービスやインフラ整備を効率化する」という計画です。

 立地適正化計画区域における居住誘導区域「外」のエリアは、今後、商業施設、医療施設、教育施設など生活していくうえで欠かせない施設がなくなり、資産価値が下落するのは目に見えています。

 既に具体的な取り組みを行っている市町村が440あります(2018年12月31日時点)。

 このうち、藤沢市、流山市、柏市、志木市、川越市、札幌市、青森市、秋田市、福島市、宇都宮市、静岡市、金沢市、高知市、鹿児島市など、186の市町村が2018年12月31日までに計画を作成・公表しています。この計画を進行させる自治体は年々増えています。