「もうマンションを買ってもいいかな。でも損はしたくないし、ローンも怖い」。
そんなあなたが買うべきは、「60m²前後」×「駅徒歩7分以内」×「2001年以降完成」のマンションしかありません。

本連載の書き手は、「不動産ひと筋30年! 12000人と面談し、成約件数は6000件以上」という圧倒的なキャリアを持つ後藤一仁氏。不動産仲介会社の“現役”社長です。「不動産を通じて、1人でも多くの人に幸せになってほしい」という願いが込められた『マンションを買うなら60m²にしなさい』の著者でもあります。「損をしない、戦略的なマンション選び」を語ってもらいます。

「50m2未満のマンション」が売りにくい本当の理由

「住宅ローン控除」は大きい

 最近、1人暮らしでも1LDKの40m²台ではなく、1LDKとしても使える2LDKの50m²を希望する人が増えています。

 住宅ローン控除や、登記時の登録免許税の軽減、住宅取得等資金贈与の非課税特例などのさまざまな税制上のメリットを受けられるからです。そのためには、登記面積で50m²以上あることが要件となっています。

 登記面積50m²未満の物件は、それらの税制上のメリットを受けることはできません。まれに40m²台の1LDKを契約・残金決済をしてしまい、後になって受けられないと慌てる人も多いので、ぜひ覚えておいてください。

 どれくらいのメリットがあるか。住宅ローン控除を見てみます。

・消費税がかかるケース(新築分譲マンションやリノベーションマンションなど、売主がデベロッパーなど業者の場合)では、限度額4000万円の借入に対して、控除率1%、控除期間は10年間です。そのため、年間最大40万円が10年にわたり控除され、総額は400万円です(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅であれば、借入限度額5000万円、最大500万円が控除)。

・消費税がかからない、売主が個人の中古マンションを購入する場合は、限度額2000万円の借入に対して、控除率1%、控除期間10年間です。そのため年間最大20万円が10年にわたり控除され、総額は200万円です(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅の場合は借入限度額3000万円、最大300万円の控除)。

 50m²未満か以上かで、住宅ローンの年末借入金残高の1%を10年間にわたって控除されるかどうかが決まるのです。