『これは自分がやりたいことではない』と
不満を言う新人

パターン[3]『これは自分がやりたいことではない』と不満を言う新人

学生気分が抜けずに、仕事現場でも自分がやりたいことだけやりたいというタイプです。最近では、働き方改革が叫ばれていますが、それを自己都合で良く捉えて、「早く帰る権利がある」と新人から主張する人もいます。
要は、やりたいことばかりが先行して、やるべきことが見えていないのです。

このタイプは、信頼を積み重ねないと自分のやりたいこともできない、ということを理解させる必要があります。

「僕がやりたい仕事はこんな仕事ではない」
「定時までしか働きたくありません」
「この仕事は自分には合いません」

こんなこと言われても震える拳を上げてはいけません。本当にやったらパワハラです。

過去の偉人や、今は自分のやりたいことをしているように見える先輩などを引き合いに出し、「社会人基礎力が備わっていない今は、まずはやりたい仕事ができる為の土台を作る必要性があること」、そして「その土台が備わっていないと、やりたい仕事も長続きしないこと」をしっかり説く必要があるでしょう。

そんな時も、本書にあるように相手のキャラに合わせて、相手がやる気になるようにアプローチすることが必要です。それをせずに注意すると「もう辞めます!」と躊躇せずに言われてしまうかもれません。

「家を建てようと思ったら基礎をしっかり作るでしょ? 基礎を作らずに家を建てたら、見た目は良い家ができても、直ぐに崩れるよね? 今やっていることは基礎作りだから、それを疎かにしていたら、本当にやりたいことができても、直ぐにダメになってしまうよ。やりたいことがしっかりできるようになるために、今は基礎をしっかり作っていこう!」

このように、「土台」や「基礎」の重要さを伝え、丁寧にフォローをするコミュニケーションを欠かさないようにして、相手の状態を見きわめましょう。

この時期、せっかく苦労して採用した新人を直ぐに辞めさせないように気配りをしたいものですね。

「こんな仕事はできない…」と<br />いきなり会社を辞めようとする新人の対処法羽田 徹(はだ とおる)
話し方コンサルタント・トップ講師プロデューサー・株式会社web-school.tv代表取締役
大学生の頃よりラジオDJを始め、1998年に大阪人気No.1のFM802主催の新人DJオーディションに合格。その後FM愛知や文化放送でラジオオDJとして10年間活動。番組降板により挫折し不動産投資会社の営業に転職。話し方を武器にさらに営業力を磨き、2年目にトップ営業になる。2008年にはその営業力が認められ倒産寸前だったロープライス眼鏡会社の取締役営業本部長に就任し、当時64店舗から110店舗への躍進を支える。またインターネットカフェ最大手にて社外取締役を歴任。2012年、ラジオDJとしての話し方の技術、営業力、組織マネジメント力、経営経験などを生かし、組織人事コンサルタント会社のリンクアンドモチベーションにてナビゲーター(研修講師)、ファシリテーターとして活動。大手企業からベンチャーまで年間100件以上登壇、延べ2万人以上の人たちと接する。研修講師の採用や育成の責任者も兼任。新人やマネジメント研修、エグゼクティブへのスピーチ・プレゼン指導、組織活性ワークショップ、働き方改革の為のロジカルシンキング講座などを得意とする。自身の経験から「学びでこの世界を豊かにする」を理念として活動中。著書に『ビジネスマンのためのスピーチ上手になれる本』(同文舘出版)がある。社会人のための「話し方動画教室オンライン」運営。