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 まず、ルノーと日産が経営統合する場合だ。ルノーは日産株式の43.4%(議決権あり)を保有しており、日産はルノーの実質的な子会社となっている。そのため、日産はルノーのみならず、その筆頭株主であるフランス政府にも間接的に支配されるという、複雑な資本構造になっている。

 ここで両社が統合するとき、ルノーと日産の既存株主(ルノーと日産自身を除く)が保有する持ち株会社(=統合会社)に、両社が100%子会社としてぶら下がるスキームとなるのが通例だ。統合会社における(ルノー以外の)日産株主の保有比率を現在の時価総額を基に計算すると、51.8%と過半に達している。ルノーと日産のアライアンス協定を考慮しないという前提ではあるが、資本構成上、日産はルノーと対等の立場となり、ルノー支配の“くびき”から逃れることができる。

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 次に、FCA・ルノー連合に日産が合流する場合だ。FCAとルノーの時価総額に大差はなく、1対1の統合比率として計算した。

 FCAとルノーの統合会社に日産が合流しない場合は、日産の統合会社への出資比率は7.5%(ルノー株式15%の半分)になるとされている。これでは、FCA・ルノー連合に対する日産の発言権はほとんどない。

 では、FCA・ルノー連合に日産が合流するとどうなるか。3社の統合会社における(ルノー以外の)日産株主の保有比率は、31.9%にすぎない。ルノーとの2社統合ならば過半を握ることができるが、3社統合ならば約3分の1にとどまり、日産は連合の主導権を掌握することはできない。