”おカネ”も動機づけの一つ:外発的動機づけ
もっともポピュラーな動機づけは、「おカネをやるから、目標を達成しろ」というものです。
それを最近では「成果主義マネジメント」などと格調高い言葉で表現しますが、要は昔からある、金銭的欲求の刺激策の変形です。
目の前に札束を積まれると、グラリと心が揺れるのが普通の人間のさがであり、いつの時代にも共通する、無視できない動機づけ策だと思います。
また、「認められること」によって意欲が高まることも、広く知られた動機づけ策の成果です。
価値ある人材と認められることは、金銭的報酬と同様に、洋の東西を問わず、時代を超えた、人間の意欲的行動の源泉です。
もしも、「仕事はカネのためではない。もっと大切なことがあるだろう!」などとうそぶいて、世間の相場を大幅に下回る給料しか出そうとしない経営者や、メンバーの努力をちっとも評価せず、結果ばかりを問い詰めるようなリーダーがいるならば、そこで働く人々は意欲が湧かず、不幸な仕事人生を送ります。
結果として、会社の業績向上も望めないでしょう。
そうならないように、経営者やリーダーは処遇改善や、メンバーの認められたいという気持ちの充足行動を強化することが必要です。
しかし、その種の動機づけは主導権を経営者やリーダーが多分に握っており、メンバーの立場からすると、「他者から与えられるヤル気」です。
こうした動機づけを「外発的動機づけ」と呼びます。