これまで50の新規事業(企業内起業17回、独立起業19回、週末起業14回)に携わってきた守屋実さんの初の著書『新しい一歩を踏み出そう!』が5月15日にダイヤモンド社から発刊されました。守屋さんは、大学在学中から現在に至るまで、一貫して新しい事業だけをやり続けてきたという稀有なキャリアの持ち主。守屋さんの実績を表す一端といえるのが、創業に参画した2社が昨年上場したこと。2018年4月に介護業界に特化したマッチングプラットホームのブティックスを、5月に印刷・物流・広告のシェアリングプラットホームのラクスルを2社連続で上場に導く。本連載は、守屋さんのこれまでの様々な経験を踏まえ、主に若手ビジネスパーソンに向けて「仕事のプロ」になるための具体的な方法を伝授していきます。

 

30年近く、ほぼ毎日つけている記録がある

 今回は、私が長年にわたって継続して実行していることをお伝えいたします。

 会社で仲間がいいことを言っていた、本の中に印象深い一文があった、SNSで流れてきた文章の中にハッとするものがあった……。

 日々の活動のなかで、メモ、メモ、と思うことは、多々あると思います。

 私は、これを「起業の心得」というタイトルをつけた、一つのワードファイルに、ただただ、ひたすら書き留め続ける、ということをもう30年近くも行っています。

 新入社員のときにスタートして、今現在も、ほぼ毎日記録をつけています

 なぜ始めたかと言えば、理由は至極簡単で、「なるほど!」と思ったのもつかの間、翌日には、何をなるほどと思ったのか、すっかり忘れてしまうことが多々あったからです。それで、忘れてしまっても大丈夫なように、とにかくメモする、ということを習慣にしたのです。

 ただ、几帳面に分類などを始めて完成度を高めようとすると挫折すると思ったので、ただひたすら、時系列に沿って書き足していくだけにしました。

 ただ、それだけ、です。

 この習慣を始めたのは、大学を卒業してミスミに入社した直後、22歳のときでした。なので、かれこれ30年近く続けていることになります。

 ちょっとしたフレーズを書き留めることは、誰でもするかもしれませんが、それを30年近く続ける人は少ないかもしれません。

 当初のタイトルは、「田口弘語録」というものでした。

 当時のミスミの社長であった、田口弘さんです。

 まだパソコンがなかった時代だったので、田口さんが言ったことで印象深いことや覚えておいた方が良さそうなことを手帳にメモして、忘備録代わりにしていたのです

 しばらくするうち、田口さんが言ったこと以外にも、社員の誰かの言葉で印象に残ったことや、本やテレビでの紹介を見て気になったりしたこともメモしたくなったので、途中から「起業の心得」というタイトルに変更しました。

 はじめはそれ用のノートを作って手書きでメモしていたのですが、時代が変わり、パソコンが普及し、スマホが登場してデジタルで記録するようになりました。

 メモの仕方は変わりましたが、今でもひたすら気になったらメモ、を重ねています。ボリュームですが、2019年4月現在で、200ページ、30万文字を超えました。

 ここまで溜まると、「メモ」を超えて、すでに「書籍」の領域になるかもしれません。

 あまり大きな声では言えませんが、書店に行って平積みされている書籍の山の中から、特定のキーワードに関する本を片っ端から拾い読みし、「要はこういうことかな」と、自分なりの1行にまとめたものを、メモしたりもしています。

 こうなってくると「自分のためだけの書籍」のような性格を帯びてきます。

 この「自分のためだけの書籍」の活用方法も、厳格なルールを課すと挫折するので、気の向いたときに読む、必要なときに検索して確認する、ということだけにしました。

 ただ、それだけ、です。