構造改革に乗り出す方針を固めたイトーヨーカ堂が身を置くスーパー業界では、今、地殻変動が起きている。特に、人口減少で個人消費が縮む地方ではその動きが顕著だ。そうした市場で、スーパーが生き残る方策はあるのか。プレミアム特集「セブン&アイ イトーヨーカ堂改革の迷走」第4回では、創業の地である北海道から積極的なM&Aを仕掛ける業界再編のキーマン、アークスの横山清社長に話を聞いた。(ダイヤモンド編集部 重石岳史、田島靖久)
消費増税をきっかけに
流通大再編時代が到来
──横山社長は「流通大再編時代が到来する」とたびたび発言されていますが、その根拠は何でしょうか。
私は1961年にダイマルスーパーという小さな店に出向し、半世紀以上この業界に携わっていますが、日本経済がバブルに至るまでの高揚期、スーパーは人口に膾炙して大きく成長しました。
客が直接商品を選ぶ「セルフサービス」というスーパーの販売技術は画期的でしたが、その当時からIT技術や経済のありようがとてつもないスピードで変わっています。バブル経済がはじけ、われわれにとっては雲の上の存在だったダイエーや西友がご存じの通りの状況になってしまった。