女子学生たちが参考にするのは、やはりSNSだ。

「2010年ごろから急速に広まったスマートフォンは、いまやほぼ学生全員が持っています。スマホでインスタグラムを見てファッションを参考にすることが多くなりました」(坂本さん)

 いま、人気モデルは、たいてい個人でインスタグラムのアカウントを持っており、かなりのフォロワー数を持つ人もいる。女性誌もこうした人気インスタグラマーをモデルに起用したり、一般の読者モデルを起用する際にインスタグラムの常時使用を条件にしたりすることが多くなった。

「インスタグラムの影響力が強くなったことで、女性ファッション誌が読者モデルを選んでカリスマモデルになっていくというルートだけでなく、一般の女性がインスタグラムで多くのフォロワーを獲得してカリスマとなり、女性ファッション誌に起用されるという例も珍しくありません」(同)

 実際、コスメや旅行、小物など特定の分野で多くのフォロワーを獲得しているインスタグラマーがカリスマになっている。個人が自分でセンスのよい写真を撮ってみせる技術も重要になり、女子学生たちを惹きつけている。

「インスタグラムなどSNSをつうじたインターネットの利用は、個人がファッションを検索して選ぶという方向と、その人が今まで頻繁に見たファッションに近いものを選んでおすすめとして提示してくるという方向があります。後者はショップ店員や個人アドバイザーに近いかもしれません。ファッションに関する知識が、女性ファッション誌を中心に広まっていた時代に比べて、スマホの普及とSNSの利用で、大きな流行のなかでも個別化し、個々人にあわせたファッションが志向されるようになったといえます。また、女性ファッション誌という専門家集団を通さないファッションやコスメの表現と承認の場が生まれています」(同)

 女性ファッション誌もSNSの役割を重視するようになった。インスタグラムの公式アカウントを持ち、誌面との共存を図って読者を呼び込もうと必死だ。かつて「赤文字雑誌」と呼ばれたファッション誌は、インスタグラムのフォロワー数のほうが雑誌の発行部数より多くなっている。

「『ViVi』『Ray』はフォロワー数が多いですね。『Ray』は3カ月前の雑誌をインスタで見られるようになり、発行部数の2倍のフォロワーを数えます。『ViVi』はGU、ZARAと提携してインスタグラムの記事を充実させており、雑誌部数の4倍のフォロワーがいます。インスタグラムの内容は紙媒体の雑誌とは違うので、それぞれの愛読者がフォロワーになっていることが多いと思われますが、『ViVi』『Ray』は雑誌を購入せずにインスタグラムだけ見ている人も多いのではないでしょうか」(同)

 女子学生のファッションへのアプローチは、女性ファッション誌からインスタグラムへと大きく変わった。読者モデルもインスタ映えの時代になったと言えよう。

(文/教育ジャーナリスト・小林哲夫)

AERA dot.より転載