他に措置命令を受けた2社は、生活用品大手のアイリスオーヤマ(マスクは「光の力で分解するマスク」、既に販売終了)、衛生用品メーカーの玉川衛材(マスクは「フィッティ 吸着分解マスク スーパーフィット」シリーズ)。それぞれホームページ上で、アイリスオーヤマは「発売前の光触媒に対する検証が不足していたこと、効果に対して誤認していたことが原因」、玉川衛材は「パッケージの文言の追加や修正を実施するなど、適切に対応してまいる所存です」とコメントを出した。

「本体にケチがつく」と徹底抗戦

 温度差はあれ、大正製薬以外の3社は措置命令を受け入れたものの、大正製薬は徹底抗戦の構えだ。

大正製薬本社。「4社のうち、最もネームバリューがあるので巻き添えにされたのでは」との同情論もある大正製薬本社。「4社のうち、最もネームバリューがあるので巻き添えにされたのでは」との同情論もある Photo by M.T.

 大正製薬と他3社の最大の違いは、大正製薬はエビデンス(証拠)に裏付けされた数々の薬を患者に届けてきた大衆薬大手であり、医師の処方箋が必要な医療用医薬品の中堅でもあること。それ故に、製品に対する責任とプライドはとりわけ高い。衛生用品であってもエビデンスを否定されれば、「本体(薬)にケチがつく」(高橋取締役)と憤っている。

 今回問題視されたのが、大正製薬のロングヒット製品である風邪薬「パブロン」ブランドだったことも、大正製薬の怒りをより大きくしているようだ。使用する光触媒は世界のトヨタグループの開発品で、製品に自信もある。

 問題なしとする大正製薬は当該マスクをドラッグストアなどから撤去しておらず、措置命令を受けた以降も売り上げに目立った変化はないという。ならば風邪薬のパブロンの風評被害はどうかと思いきや、こちらはむしろ、冷夏で体調を崩す人が多く好調だ。

 つまり大正製薬に現状実害はないが、製薬メーカーのプライドを懸けた闘いは始まったばかり。大正製薬ファンや半官びいきの消費者からは、大正製薬の栄養ドリンク・リポビタンDにひっかけて、「ファイト一発!」の掛け声が聞こえてくる。