非常用だけでなく
省エネにも活躍

 今後は路線や使用車両の条件、コストを勘案して、それぞれ最適な手法による非常用電源の整備が進むと思われる。

 実は変電所に設置されたバッテリーは、非常時だけ使用するものではなく、電気をためられるバッテリーの特性を生かして、省電力化にも貢献している。

 電車は回生ブレーキを使用することで減速時に発電し、架線を通じて付近の電車に供給しているが、列車の本数が少ない区間では電気が余り、無駄になってしまうことがある。その余剰電力を変電所のバッテリーに蓄えておくのである。蓄えた電力は、運転本数や加速の度合いによって電圧が上下する架線の電力を補うことで、列車の走行をアシストする。このように、エネルギーを効率的に使用することで、鉄道の省エネ性がさらに高まるのである。

 こうした取り組みは今後、車載バッテリーにも広がっていきそうだ。2018年10月24日付日刊工業新聞によると、東京メトロは丸ノ内線新型車両2000系で、通常の給電に加えて車載バッテリーを併用したハイブリッド電源走行試験を実施し、実用化に向けた検討を進めているという。

 課題はバッテリーの劣化だ。携帯電話でもおなじみの現象だが、バッテリーは急速に充電・放電を繰り返すと、劣化して容量が低下してしまう特性を持つ。加減速が多い地下鉄車両で、電池の劣化を上回る省エネ効果を発揮できるかを確認しているというが、いずれにしても今後のバッテリー技術の進歩によって、近い将来にはこうした活用が一般的になることだろう。