国際社会に目を移すと、ドナルド・トランプ米大統領の「アメリカファースト(米国第一主義)」やポピュリズムの世界的な広がり、中国など権威主義の拡大、貿易戦争の様相を呈してきた日韓関係の悪化など、従来の常識が通用しない変化が起きている(第211回)。だが、日本がどういう戦略をもって臨んでいくのかは不透明である。

 現役世代・若者の多くは、日本の将来に漠然とした不安を感じているのは間違いない。だが、与野党は口々に「若者に未来を」と訴えていたものの、具体論は乏しかった。日本の未来の国家像を示してくれる政党は、一つもなかったのだ。これが、現役世代・若者が、より本質的な意味での選択肢を失い、投票率が低下した大きな原因だと考える。

日本維新の会は
野党共闘とは一線を引いていたが……

 安倍首相は強固な政権基盤を持つ今こそ、将来の日本の国家像を国民に提示すべきだ。年金も「100年安心」であるわけがないと、多くの有権者に見透かされている。人口が縮む中、未来の日本をどうするのか、言いにくいことにも触れて未来の日本の姿を示す必要がある。

 だが、現行の政治・社会システムで長期政権を築いてきた自民党や、憲法9条の死守という東西冷戦期の観念論から抜けられない野党共闘には、新たな国家論を構想するのは難しいのかもしれない。むしろそれは、地方主権を唱える日本維新の会の役割だったのかもしれない。

 日本維新の会は、松井一郎代表が規則権益の打破や無駄の削減を訴え、野党共闘とは一線を引いていた。だが。「大阪府・市での改革の実績」を誇り、それを国会で行うというのはいいのだが、そこから先は、相変わらず取るに足らなかった。