7月28日は「世界肝炎デー」
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 7月28日は「世界肝炎デー」だ。世界保健機関が2010年に定めたもので、B型・C型ウイルス性肝炎の撲滅を目的として、さまざまな啓発活動が行われる。今年のテーマは「Find the Missing Millions」。手遅れにならないうちに感染に気づいていない潜在患者を見つけようと呼びかけている。

 肝炎は、肝臓に炎症が生じて肝細胞が破壊されていく病気だ。

 原因は肝炎ウイルス感染以外に、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎などさまざまだが、患者数が多く、致死的な肝臓がんや肝硬変へと進展するリスクが高いのは、やはりB型・C型肝炎だ。

 日本のB型肝炎キャリア(ウイルスが体内に存在している人)はおよそ110~140万人、すでに慢性肝炎や肝硬変、肝臓がんを発症している患者はおよそ7万人、C型肝炎のキャリアはおよそ190~230万人、患者数はおよそ37万人と推計されている。

 一方、キャリアのうち感染を自覚していない人は、B型97万人、C型88万人を合計して、185万人に上ると推測されている。これだけの人が、自覚がないままに肝臓がん、肝硬変リスクに曝されているわけだ。

 肝炎ウイルス感染から生じる慢性肝炎の症状は、食欲不振や疲労感などで、よほど肝細胞破壊が進まない限り気づくことは稀だ。

 しかも、肝臓は「予備能」や細胞の「再生能」が高いので、多少の損傷があっても肝機能は保たれる。健康診断の肝機能検査が正常だから「肝炎ウイルスキャリアではない」とは言い切れないのだ。

 肝炎ウイルスに感染しているか否かをはっきりさせるには「肝炎ウイルス検査」を受けるしかない。医療関係者など感染リスクが高い環境にいる場合は別だが、検査自体は一生に一度でもいい。職場の健康診断のほか、各自治体の保健所、指定医療機関でも受けられる。

 検査結果が陽性だった場合は、その後に続く精密検査を必ず受けよう。初回費用については助成金制度があるので利用するといい。

 とにかく治療ラインに乗ることが重症化予防につながる。くれぐれも放置はしないこと。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)