「Dear Mr. Mike Davis.」このひと言で、あなたは信頼を失います。

外資系企業で役員秘書を18年経験したプロフェッショナルが、ネイティブにほめられるワンランク上の英語を語る! 「できません」「わかりません」と言えないハードな仕事から学んだ、ネイティブに一目置かれる英語とは?

ハイクラス英文法、電話、来客対応、メール、パンクチュエーション、ビジネス英単語etc。

最新刊『ネイティブにほめられる英語』の著者である西真理子氏が、そのエッセンスをやさしく語ります。

「a」と「the」の違い、説明できますか?

ビジネス英語に必要な「冠詞」の知識

「aとtheの使い分けがわからない」など、冠詞は日本人が苦手な分野です。このテーマだけで1冊の本になってしまいますから、ここではビジネス英語で気をつけるべきポイントに絞って2つお話しします。

(1)具体的なモノや場所ではないものは無冠詞にする

「大学ではテニス部に入りたい」を英語にしてください。

 I want to join the tennis club at the university.としていませんか。

 the universityとすると、具体的な目に見えるモノを指すので、「大学という建物で、テニス部に入りたい」という意味になります。

 ここでは「大学に入学したら(大学生活が始まったら)」なので、無冠詞でat university とすべきです。

「私は学校に行きます」を思い出してください。I go to school.で、the schoolとは言いませんでしたよね。

 この「学校」とは、授業を受けたり、クラブ活動をしたり、友達と話したりという、「学校生活」を指しています。学校という「建物に行く」のニュアンスではありません。このように建物やモノそのものではなく、それらが持つ「目的や機能」を指すのならば無冠詞になります。例文をご紹介します。

I go to church every Sunday.(教会に[礼拝のため・祈るため]毎日曜日に行く)
The photographer went to the church.(その教会に[おそらくは写真を撮るために]行った)

I like to watch TV.(テレビ[の番組]を見るのが好きだ)
I turned off the TV.(テレビを消した)

He was in hospital.(彼はその病院に[治療のために]いた≒入院していた)
I went to the hospital to see him.(彼を見舞うためにその病院[建物]に行った)