生活困窮世帯の子どもたちの
笑顔と歓声があふれる場で

 私が最初に気になったのは、若い男性ケースワーカー2人の服装だった。スポーツやリゾートの雰囲気を漂わせるTシャツに、ハーフパンツやジーンズの組み合わせであったりする。あまり「公務員らしい」感じがしない。3月に退職したばかりの元管理職に、その感想を小声で率直に述べると、「今日は屋外のイベントなので、着替えてきてるんですよ。ただ、普段から堅苦しい格好はしていません」と答え、「生活保護の利用者さんたちには、『ラフな格好の方が話しやすい』という方も多いです」と続けられた。

 やってきた中学生たちは、エアコンのある屋内で涼みながら、1人でスマホの画面を見ていたり、顔見知りの大学生と会話したりしている。しかし、まだ3人か4人だ。「今日は中学生がいなくて大人ばかりなのか」という冗談も飛び交う。

イカの帽子をかぶって、大阪名物の小麦粉料理・イカ焼きをつくる槇邦彦さん(淡路プラッツ)。この日、大阪市の最高気温は35℃を超えた

 そうこうするうちに、中学生が1人、高校生が1人、小学生の兄弟を連れた中学生が1人、という感じで人数が増えてきて、会場は賑やかになっていった。「中学生勉強会」ではあるが、高校進学後のサポートが必要な高校生もいる。服装は、ごくありふれた夏の中学生の私服姿で、これといった特徴はない。時折、サイズがやや小さすぎたり、洗いざらして元の色や模様が不明瞭になっていたりするTシャツ姿も交じっているけれど。

 外から「そうめん流すぞー」という声が聞こえると、子どもたちの多くは屋外に出ていき、そうめん流しに興じる。屋内ではかき氷も始まる。かき氷器は、現在は社会人となったサポーターが寄付したものだ。就職して「自分の住まいでかき氷をつくる」という夢をいったん叶えた後、「みんなに楽しんでもらおう」と思ったそうだ。

 会場の片隅では、勉強会に関わりのある管理職の女性職員2人が弁当を食べながら、会場と子どもたちの様子に目を配っている。会場の隅には、うつむき加減の子どもがいる。たぶん空腹なのだが、外に出てイカ焼きやそうめんを食べる踏ん切りがつかないようだ。