アフラックに知らせず販売自粛

 そもそも、「かんぽ不正問題」で大半の商品を販売自粛とする中で、なぜアフラックのがん保険だけは販売を継続するのか、という批判の声は以前から上がっていた。

 そのため、金融営業部による自粛指示はある意味妥当だったものの、問題となるのは、自粛についてアフラックに何ら知らせていなかったことだ。

 アフラック側は「適切な募集管理態勢を確保している」として、日本郵便などに販売継続を強く主張していた。つまり、アフラックに対しては積極営業をしているように見せかけておいて、その裏では自粛を現場に指示していたことになる。

 さらに、日本郵便内部で全く情報共有ができていない実態も透けて見える。金融営業部が既契約からの切り替え自粛について、期限を9月末としていたのは、円滑に契約を切り替えられる条件付き解約制度を、10月から導入する予定だったからだ。

 ただ、日本郵便は報道などによる批判の高まりを受けて、8月22日前後から同解約制度の導入を前倒しする議論を始めている。

 27日時点では、9月2日から前倒しで導入するという方向性が、上層部ですでに固まっていたにもかかわらず、金融営業部はその動きを全く知らずに、間の抜けたような指示をする格好になったわけだ。

 日本郵便の内部統制がいかに杜撰であるかが浮き彫りになると共に、がん保険の販売を巡って、アフラックとの関係性に深い亀裂が入り始めていることが垣間見える。

(ダイヤモンド編集部 中村正毅)