犬を飼うことのメリットは、運動量の増加だけではなく、犬が飼い主の家族の一員となって精神的な支えとなるなど、さまざまであることが過去の研究で示されている。Lopez-Jimenez氏も、「犬がいることで孤独感が軽減され、世話をしてやらねばという使命感が芽生える」と説明し、それが飼い主の健康管理を促すことにもつながっているのではないかと推測している。
犬を飼うことが心臓に良い影響を与えることを示唆した研究は、今回の研究が初めてではない。2013年にはAHAも、犬をペットとして飼うことが心血管疾患リスクの低下に関連している可能性があるとする声明を発表している。
この声明文の筆頭著者で、米ベイラー医科大学のGlenn Levine氏は、犬を飼うことが飼い主の身体活動量の増加につながることは良質な研究データにより示されており、それこそが犬を飼うことで得られる直接的かつ最大のベネフィットであると説明。また、より間接的なベネフィットとして、犬の存在がストレスの軽減や他者との関わり、幸福感などをもたらし、自分自身の健康管理の向上にもつながる可能性があるとしている。
ただし、Levine氏は「AHAは、健康のために犬を飼うことを提唱してはいない」と強調。その上で、「犬を飼う上で最も優先すべきは、愛情を注がれ、世話をしてもらえる場所を犬に与えることだ。犬を飼うことによる健康効果はその『おまけ』として付いてくる可能性があるに過ぎない」と話している。(HealthDay News 2019年8月23日)
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