犬を飼うことは心臓の健康に良い?
犬を飼うことは心臓の健康に良い影響を与える可能性があることが、米メイヨー・クリニックのFrancisco Lopez-Jimenez氏らの研究で明らかになった。この研究では、ペットとして犬を飼っている人はペットを飼っていない人に比べて、心血管疾患のリスク因子が少ない傾向があり、運動の機会が多く、食習慣が健康的で、血糖値が低いことが分かったという。
また、犬を飼っている人は犬以外のペットを飼っている人と比べても、運動習慣や食習慣が優れていたという。詳細は「Mayo Clinic Proceedings: Innovations, Quality & Outcomes」9月号に掲載された。
Lopez-Jimenez氏らは今回、心血管疾患の既往歴がない25~64歳のチェコ人の成人1769人(44.3%が男性)の健康調査データを用いた研究を実施した。このうち、犬を飼っていた人の約3分の2(67%)は運動量が米国心臓協会(AHA)の推奨基準(中等度の運動を150分/週以上または高強度の運動を75分/週)を満たしていた。一方、ペットを飼っていない人でこの推奨基準を満たしていたのは48%、犬以外のペットを飼っている人では55%だった。
また、AHAは果物や野菜、マメ類、食物繊維を豊富に含む穀類、魚、脂肪の少ない肉で構成された食事を推奨している。今回の研究で、食事がこうしたAHAの推奨基準に届いていない人の割合は、犬を飼っている人では7%未満だったが、ペットを飼っていない人では16%、犬以外のペットを飼っている人では13%だった。
これらの結果についてLopez-Jimenez氏は、「犬を飼っていると動く機会が増えるのは容易に想像できる。犬を飼っている人の血糖値の低さには運動習慣が関連しているのではないか」との考えを示している。しかし、なぜ犬を飼うことで食習慣の改善が促されるかについては不明だとし、「犬を飼うことと食習慣の改善には直接的な関連はない可能性もある」と話している。