「脳内ホワイトボード」から生まれた「ひらめき」 

「脳内ホワイトボード」には、

  「日本で海外ブランドの香水が受け入れられにくいのは、日本人には香りが強すぎるから」

  「一方、ティーンエイジャーの間には、香りつきの消しゴムや便せんが流行り始めている」

  「プチサンボンは、まるで日本向けに開発されたような可愛いパッケージと清々しい香り」

 そんな情報がぐるぐる交錯していて、可能性を感じていました。

 本社と喧々諤々のやりとりの末、「タカクラがそこまで言うなら売ってもいいが、広告費はゼロだからな」
  「それでもOK!」ということで、やっと承認をとることができました。
  そこで、すぐ企画立案開始です。
  本国でのターゲット通り、つまり「ロジカル」に考えていたなら、次のようになっていたでしょう。

【目標】プチサンボンを売る
【戦略】
ベビー用フレグランスとして売る
【戦術】
ベビー誌に商品紹介をし、ベビー用品店で販売をする

 しかし、成人女性ですら香水を付ける習慣が浸透していない日本で、一足飛びに赤ちゃん用として売り出したところで、売れるとは思えません。
  そこで、ホワイトボードの情報をまた眺め回してみます。

  「プチサンボンの香りはキツすぎず、日本人に受け入れられやすい」

  「ティーンエイジャーの間で香り付き商品が流行り始めている」

  「プチサンボンをティーンエイジャー向けに売り出してみたらどうか」

  「商品紹介もティーン向けの若い女性誌に出したらどうか」

  バチバチッとつながりました。つまり、今持っている情報を掻き回しているうちに、

【戦略】ティーンエイジャー向けフレグランスとして売る
【戦術】
ティーン向け女性誌に商品紹介をする

というふうな発想に辿りついたのです。