『役所窓口で1日200件を解決! 指導企業1000社のすごいコンサルタントが教えている クレーム対応 最強の話しかた』の著者でクレーム対応のプロ、山下由美さんがこれまでにない画期的なクレーム対応の話しかたを初公開。「怒鳴る」「キレる」「自分が正しいと言い張る」「理詰めで責める」「言い分が見当違い」「多人数で取り囲む」「シニアクレーマー」などあらゆるお客さまからのクレームを、たったひと言「そうなんです」と言わせるだけで解決します。

理詰めでしつこいクレーム客が、心の底で考えていることPhoto: Adobe Stock

お客さまの承認欲求を満たすことが大事!

 感情的にならず、商品やサービス等への不満を、理詰めで追及してくるお客さまがいます。こうしたお客さまは、自分の知識や経験、理論に自信があり、こちらの役に立つと思っています。そして、心のどこかで「教えてやったことに感謝、感心してほしい」という承認欲求を持っていることが多いのです。

 「以前、似た仕事をしてたんで、そのあたりのことは詳しいんだよ」とか、「今どき、そんな対応あるの? 自分の会社なら大目玉だよ」とか、そんな言葉が出てくるようなら、まず間違いなく、認めてもらうことが目的となっています。

 それだけに、こちらが反論してもこじらせるだけです。理詰めのお客さまには、まずは相手の話や考えに「感心」していることを示し、承認欲求を満たすようにしましょう。

 ただし、相手の意見に同調する必要はありません。お客さまの指摘が見当違いである場合は、次のように感心してみせます。

 「そうですか! そのようにお考えなんですね」
 「そうした考え方もあるんですね。勉強不足で申し訳ありません」

 このように、相手の話に感心する様子を示しながらも、その内容を「正しい」と支持しないことがポイントです。

 それでも、承認欲求を満たされたお客さまは、誇らしげに「そうなんです」「そうなんだよ」と返してくるはずです。こうしたYES言葉が返ってきたら、こちらを敵ではなく、味方として認識した証拠です。そこで初めて、こちらの対応について話を移します。