キャッシュレス決済プラットフォーマーは
しっかり利益を確保するという構図

 もしそうであれば、こうした状況を活用したキャッシュレス決済事業者以上に、誤った認識の下、本事業の追い風、推進力となった政治家や官僚は、なんと情けないことか。

 むろん、キャッシュレスは現金のインフラがあってそれを補完する形であればいいのであって大きなお世話だ。ポイント還元は時限的であり面倒くさいといった声も聞かれ、特にクレジットカード業界ではあまり歓迎されていないとの話もある。

 しかしいずれにせよ、このデフレ不況期にキャッシュレスを促進してしまったおかげで、中小・零細企業が損を被ることになり、一方でキャッシュレス決済プラットフォーマーはしっかり利益を確保するという構図が出来上がってしまうことになるのであれば、とんでもないことである。

 加えて、「粗利が減る以上の生産性向上をさせなくてはならない」「それができない企業は退場すべきだ」といったような勇ましい意見も今後出てくるかもしれないが、このデフレ不況期に地方で踏ん張ってがんばっている中小・零細事業者にそれを求めるというのは酷な話である。

 実際、筆者がよく知るある地方の飲食事業者からは「政府はキャッシュレス導入促進で地方の中小・零細事業者を絶滅させようというのか」といった悲鳴が聞こえてきている。

 こうした社会経済を混乱させる措置まで講じる必要がある消費税増税はやめるべきであり、将来的には税率引き下げや廃止も検討すべきであるが、10%への増税は目前であり、もはやひっくり返らない。

 そうなると、少なくとも、キャッシュレスについての誤った認識や幻想を、国民の側がなくしていき、正していくこと、さらには、キャッシュレス決済の推進は、回り回って自分たちの首を絞めることになる、そう認識しておくこと、それが第一歩ではないか。