正確さよりも、「もっともらしさ」が大事

2つ目の失敗は、「距離を置きたい」という予想もしていなかった言葉に驚くばかりで、その後に何も手を打てなかったことです。

どのようなプロセスを経て相手はそんな考えに至ったのかを推測して、これから状況がどう変化していくのかを予測して、適切な行動を起こすべきだったのに、手をこまねいているうちに状況が悪化してしまいました。

つまり、センスメイキング(意味づけ)ができず、対応できなかったのです。

「意味づけ」においては、理にかなっていること、一貫性があり筋道立っていることが重要で、正確さは二の次になります。細部まで観察しようとしたり、動くのを躊躇したりしていると時間を浪費するだけです。

正確さの追求は高くつくことを理解しましょう。

センスメイキング理論が広く知られるきっかけをつくった組織心理学者のカール・ワイクは、正確性よりも「もっともらしさ」を優先すべきだと断言しています。