香港での民主主義を目指す「独立派」
勝負は11月24日の地方議会選挙

 この連載では、リーダーなき抗議行動が一枚岩ではないことに懸念を表明したことがある(第213回・P.4)。少なくとも香港には「独立派」「自決派」「民主派」の3つのグループが存在する。「本土主義」と呼ばれる「香港ナショナリズム」を思想的基盤とする独立派は、「香港独立」まで暴力革命を突き進むつもりかもしれない。

 だが、「一国二制度」の下で香港の民主主義実現を目指す「独立派」と、「一国二制度」が終了する2047年以降も民主主義の維持を目指すジョシュアさん、アグネスさんの香港衆志など「自決派」は、暴力革命まで突き進むことは本意ではないだろう。

 この連載で筆者は、「香港の若者は、中国共産党に政治を挑め」と主張した(第214回)。その第一歩を踏み出す好機が、11月24日に行われる「香港区議会選挙(地方議会選挙)」だ。香港区議会選は、18歳以上の永住者が登録をすれば投票できる。今回の選挙に向けて新たに有権者登録をした人は約35万人で、1997年の中国返還以来、最多となった。

 今、選挙をやれば、親中派は大敗すると予想されている。民主派・自決派が区議会で圧倒的な多数派を形成する可能性がある。それを恐れて、親中派とされていた候補者も選挙対策のために香港政府と距離を置く可能性があり、香港政府は区議会で「死に体」となる。そして、2020年9月に立法会選挙も控えている。

 既に、ジョシュアさんが区議会選への立候補を表明している。民主派・自決派は、区議会選、立法会選挙で圧倒的勝利を収めるべく、そこに集中してほしい。それは、自らの主張を議会制民主主義のルールに従って実現することへの道を開くことになる。そして、中国共産党に堂々と「政治」を挑むことを可能にする。