ステップ1:「日本のプロ」を目指す

杉山嘉信(すぎやま・よしのぶ) 1974年、兵庫県生まれ。34歳のとき、外資系企業での管理職ポジションを辞してシンガポールに移住。現在は、シンガポールで年間約600社にコンサルティングサービスを提供し、企業の経営者、実務担当者と毎日のように海外経営戦略について話をしている。米国公認会計士、通関士。 http://www.facebook.com/sugisg3

 前回指摘したとおり、グローバル時代で活躍するには、まず自分が何者かということをはっきりさせておく必要があります。これは難しいことのように思われるかもしれませんが、まずはいま目の前にある仕事に全力を尽くし、極めてみてはどうでしょうか。

 もちろん、日本で一番だと思うくらい極めるのですから、そう簡単なことではありません。そこで、たとえば「いまのチームの中でこれをやらせたら一番スピードが速い」とか「仕事のクオリティが一番高い」といったように、まずは身近なところから始めてみるのです。

 出発点は身近なところであっても、それがやがて「チームで一番から「部門で一番」になり、そして「会社で一番」、ひいては「日本一」になっていけばよいのです(「守」)。

 ただし、これだけではプロレベルになるには難しいでしょう。ここからさらにステップアップするには、先輩がやっていること、マニュアルに書かれていることをただ正確にこなすだけではなく、自分なりにもう一工夫していままでより高い成果を出せるようにチェレンジしてみるのです。

 単純作業でも、既成概念に捉われず工夫して新しい方法を考える。新しい発想をするには当然、社内に閉じこもっていてはいけません。視野を広く持ち、会社以外のネットワークを築き上げる必要があります(「破」)。

 これを積み重ねることにより、自分にしかできない分野が広がり、その道のプロとして周囲から認められるようになります(「離」)。

 また、日本のプロになるのもできるだけ具体的に目標を決めて、一定期間でやることをおすすめします。漠然と「日本のプロになろう」と思っていても時間が無駄に過ぎるだけです。ちなみに、韓国の雄サムスンでは5年で一流にならなければいけないというルールがあるそうです。

 さっそく今日から実践してみてください。