事実認定については優里被告の審理と同じ守下裁判長が裁定したので、当然だが同じだ。争点は量刑だけだった。

 今回の事件で問われたのは殺人罪や傷害致死罪ではなく「保護責任者遺棄致死罪」だったが、特定の事情があったと認定された殺人罪などより重い刑が言い渡された。

 今回の事件が世に問うたのは、雄大被告に「殺意」があったかどうかなどではない。

 雄大被告が5歳の女児をいたぶり続け、地獄のような苦しみを与え続けた非道さと、なぜ自分が死ななければいけなかったことさえ理解できないまま、この世を去った結愛ちゃんの無念だろう。

 雄大被告は公判で涙を流す場面もあったが、それは結愛ちゃんが流した涙よりはるかに少なく、そして軽く、無意味なものであることは言うまでもない。

 初公判が開かれたのは今月1日。雄大被告は検察官の起訴状朗読の後「間違いありません」と起訴内容を全面的に認めた。

怒気含む声の女性検察官

 女性検察官は初公判の冒頭陳述で、静かに語り始めた。「結愛ちゃんの身長は108センチ、体重は12キロしかありませんでした」「170ヵ所の傷があり、皮膚は浅黒く変色していました」「東京に転居してからの39日間、ほぼ外出していませんでした」

 そして「顔面を殴打し、腫れあがりました。結愛ちゃんは嘔吐(おうと)を繰り返すようになったが、雄大被告は虐待の発覚を恐れ、病院に連れて行きませんでした」と少し、鼻声になった。

 ほおを紅潮させ、目を潤ませながら、明らかに怒気を含んだ声で、雄大被告をこう指弾した。「わずか、5歳11ヵ月の生涯でした」。

 その上で求刑する前提の3点を挙げた。

 (1)犯行の悪質性、(2)動機の情状酌量=責任や非難の程度、(3)被害結果(結愛ちゃんの死亡という結果)の重大性だ。