スタートアップ4.0Photo:Irina_Strelnikova/gettyimages

起業家たちは、ネットバブル崩壊やライブドアショックなど経済の大波に翻弄されながらも、常に事業に情熱を注ぎ、成長を模索してきた。そこで、特集「スタートアップ4.0 第4次ベンチャーブームは『本物』か?」の第7回(最終回)では、これまでのブームを振り返りながら、現在の起業家たちの実像を探っていく。

「週刊ダイヤモンド」2019年4月6日号の第1特集を基に再編集。肩書や数字など情報は雑誌掲載時のもの

パソナ南部・ソフトバンク孫・HIS澤田
源流は第2次ブームの中心「三銃士」にあり

「かつてベンチャー企業というのは、社会から“あぶれた”人たちがやるものだったんですよ」

 1990年代のインターネット創生期以前からベンチャー企業などに関わってきた、KLab社外取締役の松本浩介氏はそう振り返る。

 ベンチャー起業家の歴史をひもとくと、その源流は、パソナを設立した南部靖之氏、ソフトバンクの孫正義氏、エイチ・アイ・エスを起業した澤田秀雄氏ら「ベンチャー三銃士」にあるといわれる。

 時は80年代、第1次を受け勃興した第2次ベンチャーブームをつくり上げた中心人物たちである。学生から社会人経験も経ずに起業することなど全く考えられなかった時代に若くして成功を収めた彼らは、その後に続く多くの若手起業家たちにとってのロールモデルとなった。

 さらに、バブル経済の崩壊が新たな起業家を呼び込んだ。