「末梢血管」は
生活習慣の改善で鍛えられる

 末梢血管は、私たちが「コントロール可能」な血管です。末梢血管は自律神経と連動していて、自律神経によって開いたり、閉じたりする性質があるのです。

 たとえば冬の寒いとき、私たちの体はブルブル震えたり、手足がこわばったりしますよね。あれは末梢血管がギューッと収縮して、熱を逃がさないようにしているからなのです。この働きをつかさどっているのが「自律神経」です。

 自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、無意識のうちに調節されています。このうち交感神経には血管を締め、副交感神経には血管を開く働きがあります。血圧は自律神経によってコントロールされ、一日の中でも変化しています。

 早朝は交感神経が優位となり、血圧は高めになります。午前中は交感神経優位の状態が続き、午後から夜にかけて今度は副交感神経が優位となって血圧は低くなります。ストレスや緊張によって血圧が高くなるのも、交感神経が優位になることが大きく関与しているのです。

「末梢血管ではなく、もっと大きな血管を開けば、ラクラク血圧が下がるのでは?」という疑問が出るかもしれません。しかし動脈、静脈も含めて太い血管は、自律神経と連動していないので、「開く、閉じる」というコントロールはされていません。私たちが生活習慣の改善で「開く」ことができるのは「末梢血管だけ」なのです。

 ところで、「血管を鍛える」というのは、「末梢血管を開いて血流をよくし、血管のしなやかな状態を維持すること」です。

 末梢血管を開く重要なカギは、

(1)自律神経のコントロール
(2)血管の内側の壁にある「血管内皮細胞」を良好なコンディションに保つ

 の2つにあります。

「血管内皮細胞」とは、血管の内壁(流れる血液に触れる面)を覆う薄い細胞の層です。外部から異物が侵入したり、血液が血管の外に漏れ出すのを防ぐ“バリア”としての役割を持っています。

 また、血管内皮細胞には、もうひとつ重要な役割があります。血管の若さと健康を保つためのカギ「NO(エヌオー・一酸化窒素)」を分泌しているのです。

「皮膚」から「皮脂」がきちんと分泌されることで、お肌がツヤツヤ潤うように、NOがきちんと分泌されることで、しなやかで若々しい血管を保つことができるのです。