「募金よろしくお願いします」の伝え方を変えたら、協力者が今回の調査最高の約1.6倍に!

最後の実験は、再び街頭にて。
池袋駅の前で、募金活動を行いました。一般的に、募金に協力する人は、全体の1パーセント未満とも言われています。果たして、伝え方を変えるだけで、1人でも多く協力者をふやすことができるでしょうか。

まず、ふつうの伝え方がこちら。

「各地の災害に、募金よろしくお願いします」

もうひとつは、伝え方の技術「選択の自由」を使って、

「広島の水害か、北海道地震か、募金よろしくお願いします」

と声かけを行いました。

募金箱を2つ持ち、あつまったお金の使われ方を選べるようにしています。

集まった募金は、全額、災害救護活動をおこなう団体にお送りしました。

結果は、こちら。

<1,500人中、募金した人数>

・伝え方の技術なし

9人/1,500人

・伝え方の技術あり

14人/1,500人

池袋警察署の許可を得て調査を実施。
調査員が2人組となり、3日間声かけを行いました。だれが声をかけるかで差が出ないよう、同じ調査員で時間を区切り「伝え方の技術なし/あり」の両方を調査しました。

伝え方の技術ありのほうが

約1.6倍の人が協力してくれた

という結果に。

そもそもの募金者が少ないことは否めませんが、それでも、やはり後者の数値の方が高くなっています。

実験を行った学生にも話からは

「広島が地元だから、と募金に協力してくださる方がいた」
と効果を感じた声もあれば、
池袋の人は歩くのが競歩なみに速い。なにか一瞬で目を引く工夫をした上で、伝え方の技術を使えばもっといけそうだった」
との声も上がりました。

立教大学の郭総長は、好結果ととらえ、
「最も難しいと感じていた『募金』で1.6倍も違ったというのは驚いた。被災した地名を具体的にすることで、メディアで知った『あの場所』に募金が届く想像をうまく掻き立てたのが良かったのではないかと思う」
と考察しています。

これで、前半とあわせて全5つの検証実験が終了。最終結果としては、以下のようになりました。

① ティッシュ配りで、受けとってもらう率をアップできるか?→約1.3倍
② エレベータじゃなく、階段を使う人数を増やせるか?→約1.04倍
③ カフェの不人気メニューの注文数を増やせるか?→約1.3倍
④ アンケートに答えてもらえる率をアップできるか?→約1.4倍
⑤ 街頭募金で、協力してくれる人数を増やせるか?→約1.6倍

効果の大小こそあったものの、すべての実験において「伝え方の技術あり」の方が、プラスの数値が出ました

立教大学の郭総長も、
「日本では『伝え方』に対する研究・論理的説明を軽視しがちだが、『伝え方』にも論理に裏付けられた技術があることが証明できた
と結論づけています。

伝え方の技術は、ビジネスを加速させる可能性がある。

今回の実験は、すべて立教大学の学生たちにより実行されました。検証した「伝え方の技術」は、PR、販促、人の誘導など、ビジネスの現場で使われているものばかり。プロジェクトによっては、数%の反応の差が、数億円のちがいを生むこともありえる話です。

『伝え方が9割』を読んでいただいたことがある方もない方も、ぜひ、今度はご自身のビジネスに取り入れてみてはいかがでしょうか。