家族を困らせない相続第7回
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遺言書がない場合は、法定相続人による「遺産の分け前」決めを行うが、ここからが「争族」になりやすい。2020年1月5日(日)まで全18回でお届けする特集「家族を困らせない相続」の第7回は、この「遺産分割協議」、そして「遺産分割協議書」について解説する。(監修/弓家田良彦〈税理士法人弓家田・富山事務所代表社員〉)

「週刊ダイヤモンド」2019年8月10日・17日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数字など情報は雑誌掲載時のもの

遺産分割というフェーズは
「争族」と化す可能性が最も高い

「遺言書」が残されており、無事に家族の手に渡り、そして法的にも内容的にも遺言に問題がなければ、その遺言書通りに遺産分割を行うことができる。

遺言書
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 しかし、遺言書がなければ、法定相続人同士による遺産分割の話し合いが必要となる。これを「遺産分割協議」と呼ぶ。相続が「争族」と化す可能性が最も高いフェーズだ。

 法律によって定められている「法定相続分」通りに分割ができればスムーズだが、そうは問屋が卸さない。単純に分割できない種類の遺産もあれば、個々人の希望や思惑も異なる。そのため、なかなか法定相続分通りに分割できない事態が起こり得るものと心得よう。

 その場合に必要となるのが話し合い。法定相続人同士が、遺産分割協議にて妥協ラインを探るわけだ。この「家族会議」で全員の同意を得られれば、「遺産分割協議書」を作成して内容を確認した上で実印を押し、晴れて協議成立となる。

 しかし、問題は「相続人全員の同意」が必要となることだ。一人でも異を唱えると、協議が不成立に終わる。

 つまりは相続が争族になってしまうわけだが、たいていは協議自体が棚上げとなるか、家庭裁判所に「遺産分割調停」の申し立てをすることとなる。そのため、いかに遺産分割協議で相続人全員の同意を得られる分け方を模索するかが、一連の相続手続きを終えるためのカギとなる。