家族を困らせない相続第6回
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遺産の種類は二つに大別される。マイナス遺産が多い場合は、相続を放棄することもできる。2020年1月5日(日)まで全18回でお届けする特集「家族を困らせない相続」の第6回は、遺産の種類と評価の目安を解説。財産の概要をまとめることができる記入リストも用意した。(監修/弓家田良彦〈税理士法人弓家田・富山事務所代表社員〉)

「週刊ダイヤモンド」2019年8月10日・17日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数字など情報は雑誌掲載時のもの

遺産の中身や評価額を
リストアップする

 特集第5回【親の財産を誰がどれだけ受け継ぐ?相続人の範囲と優先順位早わかり】では法定相続人の調査についてを取り上げたが、相続ではこれと並行しながら、遺産がどれだけあるのか、遺産の中身や評価額をリストアップしていく。遺産の種類は、「相続財産」「みなし相続財産」の二つに大別される。

 簡単に言えば、「相続財産」は故人が人生で築き上げた財産。例えば、預貯金等の金融資産や、自宅等の不動産だ。

 もう一つの「みなし相続財産」は、「実質的に相続で手に入れたものとして見なされるもの」。税法上の正式な名称ではないが、このように呼ばれる。例えば、生命保険の死亡保険金や、在職中に亡くなったときに支払われる死亡退職金などだ。また、「3年以内に法定相続人に贈与した財産」や、「相続時精算課税制度を利用した贈与」もみなし相続財産だ。

 なお、これらは「プラス遺産」とも呼ばれるが、一方で、「マイナス遺産」と呼ばれる、故人の借金やローン、未納の税金といった債務も、遺産の範疇に含まれる。相続は原則として、被相続人(財産を残す人。ここでは親)の一切の権利や義務を受け継ぐこととなるため、相続する場合は、当然、マイナス遺産も一緒に引き継ぐこととなる。