百々 それは、最高に読みたくなりますね。

――そう。僕も大学受験のときに世界史を学んでいたので、それが本になったらめちゃ面白いとすぐ飛びついた。さすが出口さんですよね。こういう提案の仕方がすごいと思いました。

百々 それができる著者は本当にいない。

――いないです。

百々 いないということは、ずっと残るということです。

――あの本の形だけをマネようとしても、絶対にマネできない奥深さがあると思っています。

百々 一般の人に向けて専門用語を使わずに語れる人はなかなかいない。
たとえいたとしても、みんなにほめたたえられ、自分は知性のピラミッドのトップにいると勘違いしてしまう。特に出口さんぐらいの読書量があったら、知性をひけらかす人も多い。
でも出口さんは、知性をひけらかさずに、使っているだけ。そのために古典などから知性を吸収し、前例のない判断や決断をする際に知性を使っているだけですよね。そういうふうにしか見えない。

――確かにそうですよね。
出口さんは「川の流れに流されていくのが人生じゃないですか」とよくいいます。
僕は川の流れに流されていったら出口さんと出会うことができた。おまけに百々さんともお会いすることができた。

百々 出口さんのあらゆるものに対する好奇心、すごいですよね。子どものような好奇心を持ったまま、魂をすり減らさないでずっと維持したまま大人になっている、まだまだ本を読み続ける。フェイスブックやツイッターにはセミの写真も上げていますよね。

――そうそう(笑)。
ありがとうございます。また次回、お話を聞かせてください。
これまでの『哲学と宗教全史』の連載ダイジェストはこちらをご覧いただければと思います。