快適性は、静粛性が向上した。従来比約35%吸音力を高めたトップシーリングを採用。音圧レベルの低下に加え、音の反射に気を配り、“気持ちよく会話が楽しめる”車内空間を目指したという。
パワーユニットは1.5リットルガソリン(110ps/141Nm)と、1.5リットルディーゼルターボ(AT105ps/250Nm)の2シリーズ構成。基本的なスペックは従来どおりだが、ガソリン車は各部のセッティング変更で、AT、MTともに加速フィールが改善された。WLTCモード燃費は、ガソリン車が19.0km/リットル、ディーゼルは21.6km/リットル(ともにFF、AT)。
試乗車は15S・LパッケージとXD・Lパッケージの2台。室内のカラーリングは落ち着いたシックな印象。新設計シートは上級モデルのマツダ3と同様に、腰をしっかりと支え心地よい。


走りはじめると、ガソリンの15S、ディーゼルのXDともに力強い加速フィールが好印象だった。15Sのエンジンレスポンスはシャープ。右足の踏み込みに即答して回転が上昇。俊敏な加速を披露する。スピードの伸びはスポーティという表現がぴったり。一方、XDは250Nmの太いトルクが頼もしい。低回転から豊かなトルクが実感でき、大人っぽい印象だ。
完成度が高い、
マツダらしさが凝縮した1台
静粛性はメーカーの説明どおり高い。とくにクルージング時はトップクラスといえる。ただし15Sは、加速時にエンジン回転が3000rpmを超えるとかなり“元気なサウンド”が耳に届く。不快な音質ではないが、ユーザーによっては「もうちょっと抑えた音にしてほしい」と感じるだろう。
足回りは、しなやかさが増していた。高速上の路面の継ぎ目をスムーズにいなし、固さを感じるシーンはない。旧型は走行状況によって、リアがやや落ち着かない面があったが、新型は全体的にスムーズで安定していた。
取り回しに優れたコンパクトなサイズと、機能的で上質な室内、そしてドライバーの意思に忠実な走りを見せるマツダ2の完成度は高い。マツダらしさが凝縮した1台である。
(CAR and DRIVER編集部 写真/小久保昭彦)