ZOZOはこれからどうなる?

 さらに加えて、2019年6月から実施したアルバイト時給の引き上げや、2019年10月に開催されたZOZOチャンピオンシップ(PGAツアー)による広告宣伝費も重なりました。その結果が営業利益の減少として表れたのです。

 ZOZOは創業から20年以上経っていますので、成長が鈍化するのは致し方ないでしょう。しかし、成長力が弱まったとはいえ、ZOZOは依然として超優良企業であることに変わりありません。

 ROEを見ると、なんと73.9%です。この数値は業績予想に基づくものですが、目標未達であっても、ROE50%超はまず間違いないでしょう。多くの上場企業がROE10%未満であえいでいる中、ずば抜けて高い数値を継続して保っています。ここまでの高い収益力を誇るZOZOは、上場企業の中でもトップクラスです。

 自己資本比率も、前期末は自社株買いの影響で30%を割り込んでいましたが、2019年12月末時点では32.4%にまで回復しています。しかも、Zホールディングス傘下に入ったことで、財務的な懸念がほぼなくなりました。
 
 創業社長の退任、大企業グループへの参画、成長の鈍化などを鑑みれば、経営戦略をガラッと変える大きな転換点に立っているといえます。

 爆発的な成長性を追い求める従前の経営スタイルではなく、緻密な収益管理やコスト管理によって、これまで築いてきた経営基盤を守る経営スタイルが必要な時期なのかもしれません。