新型コロナウイルス予防
日本国内で確認された新型肺炎の感染者は500人を超え、警戒が強まっている
Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

日本国内の各地で続々と感染者が確認されている「新型コロナウイルス」。「どこで感染しやすい?」「感染したかもと思ったらどうすべき?」「実際に感染していたらどうなる?」など、危機を間近に感じる中で生まれたさまざまな不安や疑問に、感染症の専門家で国立病院機構三重病院臨床研究部長の谷口清州医師が答えます。

もし感染してしまったら、どうなる?

谷口清洲
たにぐち・きよす/国立病院機構三重病院 臨床研究部長。国立感染症研究所客員研究員。専門は小児感染症学、感染症疫学で、2003年にはSARSコロナウイルスの世界流行の対策を経験。三重大学医学部小児科学教室、ガーナ国野口記念医学研究所、国立三重病院小児科、国立感染症研究所感染症情報センター、WHO感染症対策部などを経て2013年より現職。病気についての正しい知識をやさしい言葉で紹介する「Open Doctors」の協力医師も務めている。

「新型コロナウイルス感染症」が政府によって指定感染症と定められる以前の今年1月までは、感染した患者の入院は任意であり、強制はできませんでした。

 しかし、指定感染症に定められた2月1日以降は、感染した患者さんには入院が勧告され、これを拒否される場合には強制入院させることが可能になりました。この場合の入院措置は国として感染拡大を食い止めるためであり、医療費の自己負担はありません。

 新型肺炎に感染している疑いがある場合は、現時点では室内の空気が外に漏れない、専用の陰圧病室(病原体が外へ出ないよう気圧が低くしてある病室)を備えた「第二種感染症指定医療機関」に入ります。

 しかしながら、クルーズ船などから大量の感染者が発見されたこともあり、現在では陰圧病室でなくとも、また指定医療機関でなくとも、体制が整った医療機関での入院が可能な状態になっています。また、すでに各都道府県では特定の医療機関に「帰国者・接触者外来」が設置されており、感染の疑いがある方はこちらを受診することになります。

「感染したかも?」と思ったらどうすべき?

 絶対に知っておいてほしいのは、「新型コロナウイルスに感染しているかもしれない」と思っても、すぐに医療機関に行ってはいけないということです。移動の際、周りの人にうつす恐れがある上に、医療機関に人が集中すると、本当に治療が必要な患者さんに影響が出るからです。

 37.5℃以上の発熱や呼吸器症状があり、中国湖北省または浙江省への渡航歴がある人や患者との接触歴がある人は、まず各都道府県が設置した「帰国者・接触者相談センター」に電話連絡して相談してください。

【参考ページ】
新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター(厚労省サイト内)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html

 担当者に症状や感染者との接触状況などを話せば、どの医療機関に行けばよいかを教えてくれます。もしも感染が疑われると判断されたら、第二種感染症指定医療機関、帰国者・接触者外来が設置された医療機関を案内されますので、指定の医療機関を受診し、複数の医療機関を受診するのは控えてください。これによって、医療機関ではあらかじめ院内で感染が広がらないように受け入れ体制を整えた上で、患者さんを迎えることができます。