では、Cはどうすれば良いか。目指すはA、つまり疑似Aになるべきであると思われる。

 具体的には、

・敵対せず、選択肢を提示する。そして、上司に気付かせ、選ばせる
・常に上司の考えを発展させる形で別の案に転換する
・常に忠実な部下であるという装いをしておく
・常に使いやすさをアピールしておく(呼ばれたらすぐ席に行くなど)
・相手が自分よりはるかに力量が大きいと思われる場合にのみ、正面から意見してみる

 つまるところ上司とうまくやるには、適度に親密な関係を築けばいいのである。基礎の部分における心配りというわけである。これを上司におべっかを使う、おもねると見るか、外交術の一つと軽く済ませてしまうかは読者の皆さんにお任せする。

 ちなみに私は典型的なBであった。特別に優秀だったと言いたいわけではなく、ふるまい方や上司への関わり方においてという意味である。直属の上司にはさぞや多大な迷惑をかけていたことと思うが、幸せなことに彼らは度量が広く、おうような人物ばかりだったのか、邪険な扱いを受けた覚えはない。ずいぶん時間がたってしまったが、この場で深謝したい。

(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)