東大医学部卒のママ医師である森田麻里子医師は、自身の息子が毎日6時間寝ぐずりを続ける日々が続いたそうです。そこで睡眠に関する医学研究を徹底的に調査し、1本のメソッドにまとめて実践したところ、なんと息子が3日で即寝体質に!

そんな魔法のような寝かしつけの方法を徹底的にわかりやすくまとめた新刊『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』には、夜泣きに悩むご家庭なら必ず知っておきたい知識が満載です。「寝かしつけが手厚すぎると逆に夜泣きが増える」といった意外な事実から、「保育園での多すぎるお昼寝、少なすぎるお昼寝への対処法」「最適な寝かしつけタイミングがわかる8つのサイン」といったすぐに使えるノウハウまで網羅。そんな本書の中から、一部を特別に無料で公開します。

※この記事は生後6カ月以降の赤ちゃんを対象にしています

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「ねんトレ」は研究でも実証されている

 ベストな寝かしつけ方法は、「ずっとそばにいる寝かしつけ」をしないこと。ママ・パパがあれこれ寝かしつけテクニックを試すのではなく、何もしないでも赤ちゃんが一人で寝つく方法を教えるというように、発想を転換しましょう。

 赤ちゃんが一人でスムーズに寝つくようになれば、夜中に目を覚ましたとしても、眠りに戻るためにママ・パパを泣いて呼ぶことはなくなります。

 生後6カ月以降の赤ちゃんに一人で寝つくことを教えるためには、「ねんねトレーニング(ねんトレ)」をします。ねんトレとは、2週間ほどかけて、赤ちゃんに一人で寝つくことを教えるトレーニングのことです。

 この時期に赤ちゃんが抱っこや母乳・ミルクがないと寝つかない場合、睡眠とそのような行動のつながりが強くなっています。一度習慣づけられた行動を変えるためには、短期集中でトレーニングするのが適しているのです。

 ねんトレの効果は、数多くの研究で証明されています(*1)。たとえば、2002年にオーストラリアの王立こども病院から発表された研究では、夜泣きなどの睡眠トラブルを抱える生後6~12カ月の赤ちゃん156人をランダムに2グループに分け、一方のグループだけねんトレをしました。

 すると、2カ月後に睡眠トラブルが解決していた割合は、ねんトレをしなかったグループでは47%でしたが、ねんトレをしたグループでは70%にも上っていました(*2)。

 また、2006年にオーストラリアのフリンダース大学から発表された研究では、生後6カ月~1歳4カ月の赤ちゃん43人をランダムにグループ分けし、ねんトレを始めてから3カ月後までの効果を検証しています。

 ねんトレをしたグループでは寝つきが平均で12分早くなり、夜泣きの回数も平均で1日2.5回を超えていたのが1.5回以下まで減ったことがわかったのです(*3)。

*1 Ramchandani P, Wiggs L, Webb V, Stores G (2000) A systematic review of treatments for settling problems and night waking in young children, BMJ; 320(7229):209-13.
寝ぐずり・夜泣きに対する、行動療法(夜泣き・寝ぐずり対策、ねんねトレーニングにあたる内容)と薬物療法の効果を解析したシステマティックレビュー。レビューが行われた論文のねんトレ法はさまざまに異なっているが、薬物療法は短期的効果のみであったのに対し、ねんトレは短期的に効果が認められただけでなく、長期的にも効果がある可能性が高いことがわかった。
*2 Hiscock H, Wake M (2002) Randomized controlled trial of behavioural infant sleep intervention to improve infant sleep and maternal mood, BMJ; 324(7345):1062-5.
オーストラリアで生後6カ月~1歳の赤ちゃん156人を対象に行われたランダム化比較試験。一方のグループにだけ段階的消去法、または寝かしつけに少しずつ手をかけないようにしていく方法で、ねんトレを行った。すると、ねんトレをしたグループでは2カ月後に70%が改善、何もしなかったグループで47%が改善した。
*3 Gradisar M, Jackson K, Spurrier NJ, Gibson J, Whitham J, Williams AS, Dolby R, Kennaway DJ (2016) Behavioral Interventions for Infant Sleep Problems: A Randomized Controlled Trial, Pediatrics; 137(6): pii: e20151486.
オーストラリアで生後6カ月~1歳4カ月の子ども43人を対象に行ったランダム化比較試験。段階的消去法を行うグループ、就寝時間を遅くする方法を行うグループ、睡眠についての教育のみ行うグループにランダムに分け、効果を比較した。教育のみ行うグループに比べて、段階的消去法を行うグループは寝つきが12分早くなり、夜中に目が覚める回数も減った。