新型コロナウイルスの影響で、令和1年(2019年)分の確定申告の期限が1ヵ月間延長されることが決定しました。震災による被災者等を対象とした申告期限の延長は過去にも例がありますが、全国一律の延長は今回が初めてのことであり、その影響は今回の所得税の確定申告の申告期限・納税期限だけにとどまらないことが予想されます。今回は予定を変更して、大人気の確定申告マニュアル『いちばんわかりやすい確定申告の書き方』の監修・土屋裕昭税理士が現時点における決定事項とその影響について解説します。

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確定申告(2019年分)の期間が
1ヵ月延長して変わることとは?

 新型コロナウイルスの拡大防止の観点から、令和1年(2019年)分の確定申告の期限が2020年3月16日から4月16日(木)に延長されました。延期が発表された現在(2020年3月1日)時点で正式決定しているのは、以下の事項です。1ヵ月延長になったので、申告期限に間に合いそうもなかった人はあわてずに準備を進めましょう。また、できれば提出方法は持参ではなく、郵送やe-Taxを利用するといいでしょう。

①令和1年分所得税の申告期限・納税期限

項目 変更前 変更後
申告期限 令和2年3月16日(月)まで 令和2年4月16日まで
納税期限 同上 同上

②振替納税日の延長
 所得税の納税法の一つである振替納税(自動引き落とし)についても、本来の振替日が延長される予定であることが国税庁から発表されています。
 ただし、振替日がいつに延長されるのかは現段階で発表されておらず(2020年3月1日時点)、今後の追加発表を待つこととなります。

項目 変更前 変更後
振替納税日 令和2年4月21日(火)まで 延長予定であることは発表済みだが、
具体的な期限は未定

確定申告の期限の延長に伴って予想される影響

 確定申告の期限が延長されたことにより、そのほか、以下のような影響が出ることが予想されます。

①所得税の予定納税の期限の延長
 所得税には、前年の実績に応じてその年の所得税の一部をあらかじめ前払いする予定納税という制度があります。該当者は第1期分として7月末、第2期分として11月末までに予定納税額を納めることになっています。
 確定申告の期限延長に伴い、基準となる前年の実績確定が1ヵ月遅れるため、予定納税の時期も延長される可能性がありそうです。今後の発表等に注意しましょう。

項目 変更前 変更後
予定納税第1期 毎年7月末まで
予定納税第2期 毎年11月末まで

②住民税の納期限の延長
 住民税は税務署に提出した確定申告(一般の会社員等は年末調整)のデータに基づいて計算します。所得税の確定申告を行った場合、通常、住民税については特別な手続きは不要で、住所地の市区町村が計算した住民税が6月頃に通知される流れになっています。
 つまり、令和1年分の確定申告のデータに基づいて、各市区町村は令和2年6月以降に納税すべき住民税を計算することになります。この元データとなる確定申告の期限が1ヵ月延長されることで、住民税の納期限がどのようになるかも注意が必要です。
 なお、住民税の納税方法は原則として、会社員は6月以降、12回に分けて給与天引きされます。一方、自営業者等は6月以降、4回に分けて納税となります。

項目 変更前 変更後
住民税 前年分の所得に基づき
翌年6月以降に納付開始