スマートフォン版を表示
無料登録 有料登録
ログイン
  • 新着
  • ランキング
  • 特集
  • 連載
  • 動画
  • 主要企業一覧
  • ビジネス
  • 経営・戦略
  • 経済・政治
  • 政策・マーケット
  • テクノロジー
  • 国際・中国
  • キャリア・スキル
  • ライフ・社会
  • 健康
  • 週刊ダイヤモンド
  • 書籍
  • ウォール・ストリート・ジャーナル
  • プレミアムコンテンツ(有料)一覧
  • ダイヤモンド・プレミアム活用ガイド
  • よくある質問
DIAMOND online
  • 新着
  • 特集
  • 連載
  • 書籍
  • 週刊ダイヤ
  • ログイン
  • 会員登録

感染を抑えることで「ウイルス」は弱毒化に向かって進化する

更科功
ライフ・社会 若い読者に贈る美しい生物学講義
2020.3.27 3:00
記事をクリップ
URLをコピー
記事を印刷
Twitterでシェア
Facebookでシェア
はてなブックマークでシェア
LINEでシェア
noteでシェア
有料会員限定機能です
詳細はこちら

更科功

さらしな・いさお

(さらしな・いさお)。古生物学者。武蔵野美術大教授。東京大学大学院非常勤講師。1961年、東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。『化石の分子生物学』(講談社現代新書)で、第29回講談社科学出版賞を受賞。著書に『宇宙からいかにヒトは生まれたか』『進化論はいかに進化したか』(ともに新潮選書)、『爆発的進化論』(新潮新書)、『絶滅の人類史』(NHK出版新書)、『若い読者に贈る美しい生物学講義』(ダイヤモンド社)、共訳書に『進化の教科書・第1~3巻』(講談社ブルーバックス)などがある。

 

  • 若い読者に贈る美しい生物学講義

    生物とは何か、生物のシンギュラリティ、動く植物、大きな欠点のある人類の歩き方、遺伝のしくみ、がんは進化する、一気飲みしてはいけない、花粉症はなぜ起きる、iPS細胞とは何か・・・。分子古生物学者である著者が、身近な話題も盛り込んだ講義スタイルで、生物学の最新の知見を親切に、ユーモアたっぷりに、ロマンティックに語る『若い読者に贈る美しい生物学講義』が発刊された。出口治明氏「ドーキンス『進化とは何か』以来の極上の入門書」、養老孟司氏「面白くてためになる。生物学に興味がある人はまず本書を読んだほうがいいと思います」、竹内薫氏「めっちゃ面白い! こんな本を高校生の頃に読みたかった!!」、山口周氏「変化の時代、“生き残りの秘訣”は生物から学びましょう」、佐藤優氏「人間について深く知るための必読書。」と各氏から絶賛されたその内容の一部を紹介します。

    バックナンバー一覧

更科 功(さらしな・いさお)
1961年、東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。武蔵野美術大学教授、東京大学大学院非常勤講師。『化石の分子生物学』(講談社現代新書)で、第29回講談社科学出版賞を受賞。著書に『宇宙からいかにヒトは生まれたか』『進化論はいかに進化したか』(ともに新潮選書)、『爆発的進化論』(新潮新書)、『絶滅の人類史』(NHK出版新書)、共訳書に『進化の教科書・第1~3巻』(講談社ブルーバックス)、6万部突破のロングセラー『若い読者に贈る美しい生物学講義』(ダイヤモンド社)などがある。

くつろいで受けられる生物学講義――著者より

 ある農家に怠け者の男がいた。男は働くのが面倒でたまらないので、自分の代わりに田畑で働いてくれるロボットを作った。

 ところが、ひと月経つと、ロボットは壊れてしまった。仕方なく、男はまたロボットを作った。ところが、そのロボットも、ひと月経つと壊れてしまった。

 そこで男は、新型のロボットを作った。新型のロボットは、田畑で働くだけでなく、ひと月経つと新しいロボットを作って、それから壊れた。だから、男は、一日中家で寝ていられた。

 そんな折、男は作られるロボットが、少しずつ違うことに気がついた。

 たとえば、性能が1のロボットが作ったロボットの性能は、1.1になることも0.9になることもあった。しかしロボットの性能が、急激に変化することはなかった。

 そのうちに、たまたまロボットを2体作るロボットができてしまった。ところが、男の家には、ロボットを動かす燃料は1体分しかない。

 ロボットは、毎日農作業が終わって家に戻ると、燃料タンクから自分で燃料を入れることになっていた。そのため、農作業が早く終わったロボットが、先に家に戻って燃料を入れてしまう。すると、もう1体のロボットは燃料を入れることができない。そのため、燃料切れになったロボットは、家の隅に転がったままになった。

 そんなことが繰り返されていくうちに、ロボットの農作業はものすごく速くなった。生き残るのは、いつも性能が高いロボットだけだからだ。仮に、毎月性能が1.1倍になったとすれば、4年で、ほぼ100倍になる。ロボットは、急速に変化していき、もはや怠け者の男にはコントロールできないものになってしまった。

 ついにロボットは、自分で燃料を採掘するようになり、とうとう地球を支配するにいたった。もはや人間の姿は、どこにも見当たらなかった。

 以上の話は『若い読者に贈る美しい生物学講義』の中に書いた話(の一部)である。ロボットが2体ずつ作られて、そのうちの1体だけが生き残るなら、そのときの状況に適応している方が生き残ることになる。これは自然選択と呼ばれる現象で、ダーウィンが進化のメカニズムとして見つけたものだ。

 この話では、自然選択が働き始めたときに、ロボットの急速な変化が始まった。それは、もう元には戻れないような、根本的な変化であった。この瞬間にロボットは生物になったのだと、私は思う。

 これまでは、生物とはどういうものかを考えるときに、物質的な側面から考えることが多かった。たとえば、地球の生物の体のなかでは、いつも物質やエネルギーが流れている。この流れを代謝というが、これを生物の定義の一つとすることが多い。

 しかし、宇宙にはどんな生物がいるかわからない。たとえば、ロボットの体の中には、いつも物質やエネルギーが流れているわけではない。スイッチを切って寝ていれば、物質もエネルギーも流れない。それでも、宇宙のどこかに、さっきの話のようなロボットがいたら、それは生物と言ってもよいかもしれない。地球の常識から言えば、金属でできたロボットは生物ではないけれど、それは宇宙の常識とは違うのではないだろうか。

 もしも、宇宙全体で生物を定義できるものがあるかどうかわからないが、もしあるとすれば、それは「自然選択」だろう。どんな形をしていようが、どんな物質でできていようが、どんな振る舞いをしようが、とにかく自然選択によって作られたものが生物なのではないだろうか。生物は自然選択によって、周囲の環境に適するようになったものだ。つまり、その環境の中で、なかなか消滅しないようになったものだ。つまり、生き続けるようになったものなのだ。

 だから、本来生物は、生きるために生きているのであって、生きる以上の目的はないのだろう。生きるために大切なことはあっても、生きるよりも大切なことはないのだろう。まあ、生きていれば、それだけで立派なものなのだ。

『若い読者に贈る美しい生物学講義』では、従来の生物の見方に収まらない話も盛り込んでみた。

 内容を簡単に紹介すると、まず生物とは何かについて考える。その中で、科学とは何かについても考えていく。生物学も科学なので、その限界を理解しておくことが大切だからだ。それから実際の生物、たとえば動物や植物などの話をしてから、生物に共通する性質、たとえば進化や多様性について述べる。最後に身近な話題、たとえばがんやお酒を飲むとどうなるかについて話をする。「講義」という言葉が入っているが、くつろいで受けられる講義にしたつもりである。

 楽しんでもらえると、よいのだけれど。


■新刊書籍のご案内

感染を抑えることで「ウイルス」は弱毒化に向かって進化する『若い読者に贈る美しい生物学講義』
更科功 著、定価1760円

☆6万部突破のロングセラー!!☆

出口治明氏
「ドーキンス『進化とは何か』以来の極上の入門書。」

養老孟司氏
「面白くてためになる。生物学に興味がある人はまず本書を読んだ本がいいと思います。」

竹内薫氏
「めっちゃ面白い! こんな本を高校生の頃に読みたかった!!」

山口周氏
「変化の時代、“生き残りの秘訣”は生物から学びましょう。」

佐藤優氏
「人間について深く知るための必読書。」

生命とは、進化とは、遺伝とは、死とは、多様性とは、生き延びるために必要な生存戦略とは――。本書は、読者に向けて、生命とは何かを平易な言葉で伝える、いままででいちばんわかりやすく、いちばん感動的な生物学の本となる。後半の病気に関連した部分は、医学的な解説ではなく、生物としてどのような現象が起こっているのかを解説する。

生物とは何か、生物のシンギュラリティ、動く植物、大きな欠点のある人類の歩き方、遺伝のしくみ、がんは進化する、一気飲みしてはいけない、花粉症はなぜ起きる、IPS細胞とは何か…。最新の知見を親切に、ユーモアたっぷりに、ロマンティックに語る。あなたの想像をはるかに超える生物学の授業! 全世代必読の一冊!!

きっと、どんなことにも美しさはある。そして美しさを見つけられれば、そのことに興味を持つようになり、その人が見る世界は前より美しくなるはずだ。きっと生物学だって、(もちろん他の分野だって)美しい学問だ。そして、この本は生物学の本だ。もしも、この本を読んでいるあいだだけでも(できれば読んだあとも)、生物学を美しいと思い、生物学に興味を持ち、そしてあなたの人生がほんの少しでも豊かになれば、それに勝る喜びはない。(本書の「おわりに」より)

  • 1
  • 2
  • 3
記事をクリップ
URLをコピー
記事を印刷
Twitterでシェア
Facebookでシェア
はてなブックマークでシェア
LINEでシェア
noteでシェア
若い読者に贈る美しい生物学講義
若い読者に贈る美しい生物学講義
更科 功 著
<内容紹介>

生物とは何か、生物のシンギュラリティ、動く植物、大きな欠点のある人類の歩き方、遺伝のしくみ、がんは進化する、一気飲みしてはいけない、花粉症はなぜ起きる、iPS細胞とは何か…。最新の知見を親切に、ユーモアたっぷりに、ロマンティックに語る。あなたの想像をはるかに超える生物学講義!全世代必読の一冊!!

amazonで購入する 紀伊國屋書店で購入する 書店で購入する

関連記事

私たち多細胞生物だけが「がん」になるワケ

私たち多細胞生物だけが「がん」になるワケ

更科功

生物の「3つの定義」を知っていますか?

生物の「3つの定義」を知っていますか?

更科功

マンガでわかる「生物を定義する、たった3つの条件」

マンガでわかる「生物を定義する、たった3つの条件」

更科功

すべての生物が使っている細胞膜が「何十億年も進化していない」理由

すべての生物が使っている細胞膜が「何十億年も進化していない」理由

更科功

特集

前立腺がんで処方患者数の多い「人気薬」ランキング!5位イクスタンジ、1位は?

前立腺がんで処方患者数の多い「人気薬」ランキング!5位イクスタンジ、1位は?

英語教材【本・スクール・動画・アプリ】の800人アンケート満足度ベスト5!動画の一押しは「Pixar」

英語教材【本・スクール・動画・アプリ】の800人アンケート満足度ベスト5!動画の一押しは「Pixar」

株価が低いのに顧問・相談役が大勢いる会社ランキング【32社】みずほ2位、1位は?

株価が低いのに顧問・相談役が大勢いる会社ランキング【32社】みずほ2位、1位は?

西武池袋本店の半分がヨドバシに!?改装詳細案が判明、契約実行に向け「禁じ手」も模索か

西武池袋本店の半分がヨドバシに!?改装詳細案が判明、契約実行に向け「禁じ手」も模索か

あなたにおすすめ

書籍オンライン

書籍オンライン 記事ランキング

  • 1時間
  • 昨日
  • 1週間
  • いいね!
  • 大学図鑑!2024

    同志社? 立命館? 関関同立の最新序列はどうなった?【2023年最新マップ付き】

  • 大学図鑑!2024

    明治? 立教? GMARCHの最新序列はどうなった?【2023年最新マップ付き】

  • 99%はバイアス

    「マウンティングしてくる人」のたった1つの特徴

  • 大学図鑑!2024

    成蹊? 成城? 明治学院? GMARCHに迫る大学の序列はどうなった?【2023年最新マップ付き】

  • ケトン食の名医が教える 糖質制限はやらなくていい

    病気になりたくなかったら、真っ先にやめたほうがいい食事の習慣とは?

  • 大学図鑑!2024

    同志社? 立命館? 関関同立の最新序列はどうなった?【2023年最新マップ付き】

  • 大学図鑑!2024

    明治? 立教? GMARCHの最新序列はどうなった?【2023年最新マップ付き】

  • ケトン食の名医が教える 糖質制限はやらなくていい

    病気になりたくなかったら、真っ先にやめたほうがいい食事の習慣とは?

  • 未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法

    年収が決まる要素は「どこ」にいるか。「給料=あなたの能力」ではない

  • 99%はバイアス

    みるみる頭が良くなっていく「たった1つの習慣」とは?

  • ケトン食の名医が教える 糖質制限はやらなくていい

    病気になりたくなかったら、真っ先にやめたほうがいい食事の習慣とは?

  • 未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法

    年収が決まる要素は「どこ」にいるか。「給料=あなたの能力」ではない

  • 超完璧な伝え方

    頭のいい人が「冗談でも言わない」2つのこと

  • 大学図鑑!2024

    明治? 立教? GMARCHの最新序列はどうなった?【2023年最新マップ付き】

  • 人生が変わる 紙片づけ!

    【1000軒以上を見て分かった】「お金が貯まらない家」に共通する“たった1つの特徴”

  • ケトン食の名医が教える 糖質制限はやらなくていい

    病気になりたくなかったら、真っ先にやめたほうがいい食事の習慣とは?

  • 神さま仏さまがこっそり教えてくれたこと

    【28日は不動明王さまのご縁日】逃げられそうになかった悪縁から突然、逃げることができた後に見つけた意外な物

  • 未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法

    年収が決まる要素は「どこ」にいるか。「給料=あなたの能力」ではない

  • 大学図鑑!2024

    同志社? 立命館? 関関同立の最新序列はどうなった?【2023年最新マップ付き】

  • ディープ・スキル

    三流は「怒り」に翻弄され、二流は「怒り」を抑圧する。では、一流は?


愛読者クラブ登録

書籍 週間ランキング

  • 小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本

    小杉拓也 著

  • リーダーの仮面

    安藤広大 著

  • 嫌われる勇気

    岸見一郎 著/古賀史健 著

  • シンプルで合理的な人生設計

    橘 玲 著

  • 数値化の鬼

    安藤広大 著

  • 半導体産業のすべて

    菊地正典 著

  • 半導体戦争

    クリス・ミラー 著/千葉敏生 訳

  • 「静かな人」の戦略書

    ジル・チャン 著/神崎朗子 訳

  • 元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

    小林義崇 著

  • メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた

    吉川景都 著/BAパンダ 著

(POSデータ調べ、3/19~3/25)

TOP
  • このサイトについて
  • ダイヤモンド・プレミアムについて
  • サイト利用規約
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • プライバシーポリシー・著作権
  • よくある質問
  • 広告掲載
  • お問い合わせ
  • 法人のお客様

ダイヤモンド社のサイト

  • 週刊ダイヤモンド
  • DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
  • 書籍オンライン
  • ザイ・オンライン
  • ザイFX!
  • DIAMOND SIGNAL
  • ダイヤモンド不動産研究所
  • DIAMOND Quarterly
  • The Salon
  • HRオンライン

© DIAMOND, INC.