重症化してしまったら
高度な医療を受ける必要がある

 新型コロナウイルス感染は普通のウイルスとは異なり、いくつかの特徴的な点を持つ。ここで、新型コロナウイルス感染症の特徴を確認しておきたい。

 新型コロナウイルスは“風邪の症状”を引き起こすウイルスということで、当初はインフルエンザと比較されることが多かった。

 ただ、両者の違いは新型コロナウイルスでは感染者の20%が重症化し、5%が人工呼吸器など高度な医療が必要になることである。

 例えば、東京都医師会の4月7日の発表によれば、ほぼ、この比率に当てはまる。東京都の入院患者951人のうち、重症患者に相当するのは24人で、中等症の患者を入れても200人という。

 20%が入院し、5%にさらに高度な医療が必要ということはどういうことか。

 答えは、かなりの医療資源を必要とするということだ。

 このような病気はめったに存在しない。ここで医療資源とは病院やベッドおよび医師などの医療従事者、さらにはもっと重症化した時の人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)といった高度な医療機器になる。

 なぜ、イタリアやイギリスといった効率的な医療を行ってきた国で死亡者が多いのか、これはまさに、医療資源が豊富であったかどうか、医療に対しての「余力」があったかどうかに尽きる。

 では、日本の地方での医療に余力があるのであろうか?

 病院のベッド数であるが、これは既にほかの機会に述べたように、日本は人口当たりでは世界屈指の数を誇っている(以前の記事「コロナで絶体絶命のイタリアと違い、日本で死者激増の可能性は低い理由」)。

 CTやMRIといった標準的な医療機器は全国津々浦々にかなりの台数が置かれている。病床数については、西日本が多く、東日本は少ない。あえて行き先を探すのであれば、病床数が多い県を選ぶことはできるだろうが。

 しかし、今回の5%の「生きるか死ぬか」という人に必要な医療的措置、例えばICUとかECMOといった非常に高度な医療が全国津々浦々でできるかといえば、必ずしもそうではない。